27才海賊王×19才サンジ
2004年06月10日(木)
タライさん、そこまで書いて私に振る!? うーむうーむ…ならばこれでどうだ!
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その男の人は、いとおしげな、やさしい目をしてひつぎを見下ろしていました。 わけもわからず、キキの胸がぎゅっといたくなるほどに。 ふいに、男が顔をあげました。うってかわって厳しい光を宿した目で、まっすぐにキキの後方を見つめています。 「チョッパー」 キキがふりむくと、そこには二本足で歩く人型のけもの。 「薬が完成したんだな」 「ああ」 その毛むくじゃらのいきものがしゃべるのを聞いて、キキは目を丸くしました。 だけど、男はそのけものの言葉ににっこりと微笑むと、力強くうなずきました。 「じゃあ、行くぞ、チョッパー!」 そう言うとその男はあろうことか、大きな氷のひつぎを持ち上げて、肩にかつぎ上げたのです。 キキは驚いて、男に走りより、真っ赤なマントのすそをつかみました。 「まって!その人をどうするの?」 「サンジを眠りからさますんだ!これからはずっと一緒だ!」
名もなき国の、雪ふかい森の奥の、おおきなお城。 そのお城で、ひとりぼっちでずっと眠りつづけていたお姫さまはもういない。 王子様が迎えに来て、ながい眠りからさましてくれたのだ。
『そうして、ふたりは末永くしあわせにくらしました』 昔お母さんが読んでくれた絵本の最後の言葉がふいにキキの頭に浮かびました。
うふふ…ふふふふ。 うれしくなって、キキはお家にむかって走り出しました。
ゴーイングメリー号は、2週間程前からとある春島に停泊していた。 ドラム王国から連れ出したサンジを蘇生させ、投薬した。まだ目覚めないサンジに、チョッパーが付ききりで処置を施している。 透き通るように白かった頬には、随分と血の気が戻っていた。
10年―――10年待った。 10年の歳月はメリー号のクルーたちの上に確実に流れていた。 サンジ不在のまま、ルフィは新しい海賊王となった。サンジとの約束を果たし、夢をかなえた彼の顔には、10年前にはなかった風格が備わっていた。 ゾロも世界一の大剣豪という称号を手に入れた。己の野望のために一度は船を降りた彼だったが、今はまたメリー号に戻って来ている。 ナミは10年前とは比べ物にならないくらいの海図を書き上げ、ウソップは、もはや自称では無い、誰もが認める海の勇者へと逞しく成長していた。 ただ、目の前のサンジだけが、まったくあの頃と変わらない。 19才の姿のまま眠り続けるサンジの顔は、彼を置いて成長しつづけたクルーから見ると、幼いといってもいいくらいあどけなかった。
不治の病。 突然倒れたサンジに、船医であるチョッパーが下した残酷な診断。 思い悩んだ末に、彼らは一つの可能性を見い出した。 治療薬が開発されるまで、サンジの身体を冷凍保存する。 だが、薬が開発されるのが10年先か100年先か、例え薬が完成したとしても、サンジが果たして本当に息を吹き返すのか、まったく保障は無かった。 それでも、彼を失う事にはどうしても耐えられない。 苦悩するクルー達に、一縷の望みがあるならばそれに賭けたいと、他ならぬサンジ本人が言い出した。 彼にはわかっていたのだ。自分が死んだら、きっとルフィは変わってしまう。 生き長らえたいのではない。そもそも助かる保証などどこにも無い。それでも、自分の「死」を先延ばしにすることで、ルフィを救うことができるなら―――そう思って、彼は決断を下した。 もしもこの先ルフィが自分を忘れて、自分が彼の重荷になる日が来たら、その時は、お前が俺を粉々に砕いてくれと、そっとゾロに言い残して。
そうして、サンジは永い眠りに付いた。
「サンジ…?」 チョッパーの震える声に、サンジから片時も離れようとしなかったルフィが、弾かれたように顔を上げた。 「サンジ!サンジ!?」 ルフィの呼び掛けに答えるように、ばら色の唇がかすかに動いて、小さな息が漏れた。 「みんな!サンジが…サンジがぁ!」 もうボロボロと涙をこぼしているチョッパーの叫び声に、クルーの皆が部屋に駆け込んで来る。 「サンジが目を覚ましたのか!」 「サンジ君…!!ああ!本当に!?」 皆がサンジのベッドを取り囲む。 金色の睫が震えて、ゆっくりと誰もが愛した深い、青い瞳が現れる。 「サンジ!」 「サンジ君…!」 この時を待ちわびていた皆が、歓喜の声を上げる。 「俺…?」 まだぼおっとした様な顔で、サンジがゆっくりと視線を巡らせる。 「サンジ、俺が分かるか?」 「……ルフィ……?」 訝しげにサンジの眉が潜められる。それも無理はない。サンジの時間は止まっていたのだ。彼の中では、ルフィはまだ17才の少年のはずなのだから。 「お前は10年眠ってたんだ」 「―――10年……?」 まだよく回らない舌で、サンジが呟く。 「そうだ、思い出したか!? チョッパーが薬を完成させて、 お前は助かったんだ!」 ルフィの言葉に、ようやく状況が飲み込めて来たのか、サンジの青い目がゆっくりと見開かれた。 「10年!?」 突然大きな声を上げたサンジに、皆ビクッと身体を震わせる。 「サ、サンジ君…?」 「そ、そうだ、その間俺はお前との約束を守って海賊王になった!ゾロも大剣豪に…」 「10年ーーーーーーーーーーーー!?」 サンジはがばーー!と跳ね起きた。とても10年間冷凍保存されていた人間とは思えない程の身のこなしだった。 「サ、サンジ、まだ起きちゃ…」 慌てて駆け寄るチョッパー。 「10年てマジかよおい!ルフィ!ジジィは…ジジィは生きてんだろうな!?老い先短いんだから、10年も寝てる場合じゃねーだろ、オレ!!」 「サ、サンジ…?」 眠れる氷の美女だったはずのサンジは、今やチンピラのごとき顔付きで、海賊王の胸ぐらをつかみ上げている。 「サンジー!まだ安静にしてなきゃダメだー!お前は本来なら動けるはずないんだぞ!10年間氷づけで、蘇生したばっかりなんだから、筋肉なんて動くはずないんだー!!普通の人間ならそうなんだーーー!!」 放心した様にサンジにガクガクと揺さぶられている海賊王と、その二人の周りを泣きながら走り回っている船医を見つめながら、ナミとウソップとゾロの3人は気が抜けた様に立ち尽くしていた。 「…なんか…懐かしい光景だな…」 「…アホらしいっていうか…安心するっていうか…」 「………」
こうして永い眠りから目覚めた愛すべきコックは、大切な仲間たちと、末永く幸せに暮らしましたとさ。
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ってナシ!!これナシ!!てゆーかダイナシ!!! おおお怒らないで、皆さん!!忘れて、今すぐ忘れて!! メルヘンダイバーのタライさんが、ご自分のサイトの日記で書いて下さった、先日ルサン話導入編。 続きを振られて書いたはいいが…。 だから言ったじゃないですか!タライさん!!私じゃ無理だって!! しかも文体変わっちゃっててごめんなさいよ! ああっっ!兄もいないし!!
そして話変わって、めっさ私信ですが、Hさん! でもでもだって舞台がベニスだよ!ゴンドラ乗ってるじゃん!水の都じゃん!ガレーラ・カンパニーって名前もイタリア風じゃん! …これであの葉巻のにーさんがGM号に乗り込んでくれなかったら、一体どうしたらいいんでしょうね?
にーさん×サンジの妄想で頭が一杯の状態で近所のコンビニに行ったら「職人かたぎ」っていうスナックが売ってて、思わず購入。 あんなちっちゃな袋で334kcalもあるとはさすが職人、あなどれん…。
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