小噺をひとつ…。
2003年09月28日(日)
ガブちゃん今日、自分のサイトでカウンター35000番を踏みました。カウンタ−占い、なんかいいことあるかしら。 そういえばこの間生まれて始めてキリ番なるものを踏みました(いや、正しくはゾロ番だったのですが)。しかも大好きなサイトさんで。わーい!! もうクジ運とかそんなもんに笑えるくらい縁がなく、キリバンゲットなんて絶対無理とハナから諦めているガブも、二回だけ本気で狙った事があります。 どうしてもリクしたいーーー!と生まれて始めて本気で思った大好きなエ−サンサイトさんでは7002と惜しい所で外してしまい、その後リク受付をお休みされてしまい涙にくれました。 そして、今回ガブが史上二度目に本気を出したところ、なんと!!やったね!ゲットしちゃったよ! やー、嬉しいもんですね、大好きなサイトさんのリク権ゲットって!うふうふ♪
とりあえず気分がいいので先日会社で書きかけて、そのままメールフォルダに放置してあった小噺を仕上げてみたりして。大した話じゃないから取りあえずここにアップ。
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それはもう、まったりとのどかな午後。 GM号の面々はそれぞれに好きなことをしてくつろいでいる。
「ふい〜…」 昼間のトレーニングのノルマを終えて、ゾロは大量の汗を拭った。 甲板にできた水(汗)溜まりはちゃんとモップで拭いておかないとあの魔女かコックに叱られる。 ゾロはあらかじめ用意していたモップを手に、自分のまわりだけ甲板掃除を始める。 ふと目を上げると、キッチンからコックが出て来たのが目に入った。 さんさんと輝く陽の光に明るい金髪がキラキラと反射して目にまぶしいくらいだ。 ゾロはモップ賭けをしている手を止めて思わず見入る。 どうやら昼食の後片付けがひと段落したのだろう。彼にとってようやく人心地つける時間らしい。 辺りをきょろきょろと見回して、退屈しのぎのネタを探している。 こういう時コックは大抵まずは女共の所へ御機嫌伺いに行くのだが、本日の獲物はウソップらしい。 甲板で何やら店を広げているウソップを見つけ、ニヤニヤしながら近付いていく。
「ウソップー、何やってんだよ」 「俺様新兵器開発中につき、邪魔しないように」 隣にしゃがみ込んでまとわりついてくるコックをウソップが随分と素っ気無い口調であしらう。 ウソップはサンジに対して意外に強気というか、遠慮がない。ゾロが言ったら間違いなく喧嘩になるようなキツいことをサラっと言ったりする。それに対してコックの方もゾロといる時よりは確実に気が長い様子でケラケラと笑っていたりするのだ。
サンジがウソップの背中に張り付いて、肩にあごを乗せて手許を覗き込む。 実は結構前から気付いていたが、コックは相当にスキンシップが激しい。 フェミニストを気取っているせいか女共には抱きついたりしないが、チョッパーやウソップにはそりゃあもう楽しそうにくっついている。 ルフィの場合はサンジが近寄ると向うから張り付いてくるのでサンプルが取れないのだが。
そう、意外な伏兵ウソップ。 チョッパーはサンジにとってはほとんどぬいぐるみみたいなものなんだろう。よく膝にのせたりして2人でご満悦な顔をしている。 だがよくよく観察してみれば、サンジが一番ひっついているのは圧倒的にウソップだ。 「重いっつーの」 ウソップがサンジがのっかっている肩をゆすり上げる。 「なにすんだよー」 「あーもう、邪魔すんなよー」 サンジが今度は嫌がらせの様に肩に両腕を廻している。まるで構って欲しくてしょうがない子供のようだ。 ウソップは本気でそんなサンジをうっとうしがっている。 あのコックをあれ程までに邪険に扱えるウソップを見て、ゾロは不覚にも(いっそカッコイイぜ…)などと思ってしまった。 その端から見たら微笑ましい光景をボケーっと見つめていたら、すぐ真後ろで声がしてゾロは飛び上がった。 「ゾロ…ゾロ!」 「ああっっ?」 あの二人に気を取られていたとは言え、全く気配を感じさせずにすぐ側まで来たナミに、ゾロは思わず腰を落として身構えた。 「なに百面相してんのよ。しかもどの顔取っても凶悪で暑苦しいったらないわ」 「あんだと?」 「混ざりたいんでしょ」 フフンと笑う顔がどうにも憎たらしい。 「―――なんの話だ」 ゾロが全身の毛を逆立てて、フーとナミを威嚇する 「ま、あんたには無理ね」 「…何がだ」 「あーゆーの。だってあんたの場合下心満載で、ほのぼのしたジャレ合いだけじゃ済まないモンね」 全てを見すかした様に言うナミに、ゾロは非常に非常に不愉快そうな顔をした。なぜなら全くもって事実を言い当てられたからだ。 そう、ゾロはサンジに惚れていた。しかし当のサンジはその事に気付いていはいないと思う。 「あんたとサンジくんじゃ例え変な意味がなかったとしても、なんか物凄く生々しい絵になりそうだしね」 ナミがジャレあうウソップとサンジに目をやりながら言う。 ゾロもそれに釣られるように二人に視線を戻した。 サンジがウソップが飲みかけのグラスを手に取ってそこから一口飲んだ。そのサンジに向かってウソップが手元から目を離さないまま片手を伸ばす。サンジがその手にグラスを渡してやると、彼はそれを一息で飲み干した。 ゾロのあごががぼーんと落ちた。 ―――なんだよ、なんなんだよあいつら。 あの潔癖性のサンジが人と同じ、それも男と同じグラスからなんか飲むなんてあり得るのか? (てゆーかこの間俺が直接口に付けた酒瓶渡したら、グラスに注ぐ前にふきんで口拭いてただろ!)
イライラする。なにをキャピキャピやってるんだ。 ゾロはモップを床に放り投げると、階段を降りた。 トレ−ニング後の水分補給をしなければならない。そのためには彼等の側を通らねばならないのだ。 そう、決して気になるとか邪魔したいとかそんなんじゃない。
「………」 二人を見ないようにはしているが、意識しているのがありありとわかる様子のゾロが、ついに我慢できなくて、通り過ぎざまにチラと二人に目をやる。
「なんだよこれ、どーなってんだ?」 「だあっ、返せよ!」 サンジがウソップの手から見なれない道具を取り上げる。 背中にのしかかるようにして高く手をかかげるサンジの手首をウソップが掴んだ。 「ウラァ!!」 そのまま体重を掛けてサンジを床に倒すと、上体で押さえ込むようにしてその手から道具を取りかえす。 「ワハハハハハ!ギブギブ!」 床に押さえ込まれてサンジはゲラゲラと笑っている。 ウソップにのしかかられながら、白い喉を無防備に仰け反らせて涙まで浮かべて笑っているサンジの姿に、ゾロの足が思わず止まった。 気付いて見上げた二人が、ゾロの表情に笑いを引っ込めた。 「なんだぁ?」 「どしたんだよ、怖ェ顔して」 ゾロは怖いというか、困惑したというか、怒ったようなというか、そんな複雑な表情で二人を見下ろしていた。 「………男2人でベタベタしやがって」 ぶすくれたようなゾロの言葉に、二人はキョトンとした顔でゾロを見る。 「は?」 「何言ってんだ?ゾロ」 馬鹿にしてるわけでもなく、本当に不思議そうな目で見られて、ゾロはちょっといたたまれない気持ちになった。 そう、まるで自分だけが汚れているような。 それ以上何を言う気力も無くして、ゾロは黙ってラウンジに入るとパタンとドアを閉めた。 「あの2人には別にやましいとこなんて1ミクロンもないんでしょうね」 「どわあぁっっ!!」 突然声を掛けられてゾロの心臓が30センチくらいずれた。 「やっぱ魔女か!お前」 さっきまで自分と一緒に船首にいたはずのナミが何故ここに、とゾロは全身総毛立ちながら刀に手をやる。 「まあ、あんたも変な下心を捨ててサンジ君と爽やかな友情を育む気なら、楽しくスキンシップできるかもね。……無理だろうけど」 「〜〜〜〜〜なんなんだよ、お前はよ!!」 今日はやけに絡んでくるナミに、ゾロは不快感を隠せない。 「だって面白いんですもの」 ニヤリと嫌な笑いを浮かべてナミが一言言い放った。 「ヨゴレ」 「……ほっといてくれ」 外からは「ウラァ!まいったかコラァ」というウソップの声にサンジがうひゃうひゃ笑いながら「ヤメテヤメテごめんなさーーーい!!」なんて言ってる声が被る。きっとくすぐり攻撃でも受けているんだろう。
別にお友達ごっこなんてしたくねーよ、などと思いつつ、なぜか敗北感が拭えないゾロであった。
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以上、ごめん、ゾロ。
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