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2002年12月14日(土) 一晩の出来事

それは、刹那の出来事だった。
けれど、それは確かにそこにあった。

僕はとても不器用な人間で、これまでの人生で
他人よりもきっと数多くの失敗を重ねてきていて、
そのせいか人が傷つくことに対しては、誰よりも敏感な
つもりでいて、少なくともそうでありたいと思っている。
そのせいか、うぬぼれでは無く事実として、他人から
深い相談を受けることが幾度と無くあるし、そういうときに僕は、
自分の経験と信念から言える事を率直に伝えるようにしている。

他人の相談に乗るとき、幾多の失敗から僕が一つだけ
確信をこめて言える事は、time will tell、
時間が解決してくれるということで、
他人の相談に乗るとき、いや他人と「会話」を
するときに、僕が一つだけ強く心に決めていることは、
責任ある言葉を使うということ。

宇宙のブラックホールの中に入ると、たとえ光の速さを
もってしても二度と外に戻ることは出来ないので、
その境界線を "point of no return"というらしい。
すべてを運命の流れの所為にするつもりなどないけれど、
どんな物事にも抗いがたい流れというのがあって、
その流れの中で"point of no return"を超えた後のことは、
僕らではどうしようも無いことなのだと理解している。

けれど、今日は、今日に限っては、
その理解が揺らいでしまった。
そう理解などしたくはなかった。
そう理解など出来なかった。

2002年の12月14日、それはとても長い一日だった。
僕はその日の出来事をきっと忘れることなどないと思う。

傷つくことなど慣れっこで、いつも簡単に立ち直れるけれど、
今度ばかりは少し長い時間がかかりそうな気がする。
いったいどれだけ傷つけばいいんだろう。
time will tell、と自分に言い聞かせるのは、
少なくとも今の自分に言い聞かせるのは、
不可能なことであるように思えてならない。

いつまでも他人の悩み相談を受けて、
立ち直らせるばかりでいる余裕なんて僕には無いんだよ。
少し疲れている。


おじゅん |MAILHomePage

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