エンターテイメント日誌

2005年02月12日(土) 出来損ないのファンタジー <ネバーランド>

映画「ネバーランド」の評価はC-である。

筆者は基本的に幻想映画は大好きである。「ネバーランド」も「ピーターパン」で有名な劇作家のジェームズ・バリを主人公に、超現実的な場面を加味して描いている。それは想像力の飛翔であり、そこから<夢はきっと叶う、だからそれを信じなさい。>というメッセージが投げかけられる。

・・・と、それはそれでファンタジーとしての体面は保ってはいるのだが、描写が実に陳腐なんだよね。メッセージも今まで語り尽くされた以上のものはなにもない。映画の質としてはスピルバーグが「ピーターパン」の後日談を映画化したあの、救いようのない駄作「フック」と同レベル。ちなみにダスティン・ホフマンは両者に出演している。

「ネバーランド」を観るくらいならウォルト・ディズニーが製作した「ピーターパン」のアニメーション版をビデオで観るか、フライングが愉しいミュージカル版を劇場に観に往った方が有意義な時間を過ごせるだろう。だって言いたいことは全く同じなのだから。

「ネバーランド」はアカデミー賞で7部門ノミネートされてはいるが、筆者は映画芸術科学アカデミー協会の名誉のためにも1部門も受賞出来ないことを切に願う。だってこんな質の低い映画を受賞させたら後々までの恥辱だもんね。

ジョニー・デップのファンタジーなら、ティム・バートンと組んだ新作「チャーリーとチョコレート工場(チョコレート工場の秘密)」の方を期待したい。ダニー・エルフマンの音楽が超ご機嫌だからね!

「ネバーランド」で唯一良かったのはケイト・ウィンスレットの母親役を演じたジュリー・クリスティ。デイビッド・リーン監督の不朽の名作「ドクトル・ジバゴ」(1965)の、あのラーラがこんなに美しく老いたんだと、感慨ひとしおであった。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]