エンターテイメント日誌

2004年07月13日(火) シルミド番外地〜韓国産東映任侠映画の巻

韓国映画「シルミド」の評価はD。なんだか「網走番外地」など1960年代の東映任侠映画とか、「仁義なき戦い」など1970年代の東映実録ヤクザ路線を観ているような既視感(デジャ・ヴュ)に囚われた。「ラブストーリー」のレビュー(←クリック)でも書いたのだが、やっぱり韓国映画って3-40年遅れているなというのが正直な感想。「シルミド」の日本配給は東映が担当しているのだが、正にピッタリ!

映画の前半はなかなか快調で愉しめた。特に刑務所のヤクザ者たちを孤島に集めて徹底的にしごき、北朝鮮に潜入するための特殊部隊を結成するくだりはスリリングだった。しかし、政府の方針が一変し、彼らが見捨てられるあたりから様子がおかしくなった。兎に角、登場人物たちが暑苦しい,むさ苦しい。彼らが熱くなって語り、悔し涙を流せば流すだけその熱血ぶりに観ている方は気持ちが萎えて引いてしまう。そういう映画である。

彼らがバスを乗っ取り、自分たちの主張を直訴するためにソウルの大統領官邸を目指すのがこの映画のクライマックスなのだが、そんな暴挙の結末は火を見るより明らかだし、僕には犬死にとしか想えなくて白けてしまった。おまけに終いにはバスの中で一人一人同志の名前を絶叫し、血文字の遺書を書く始末。描写がいちいちクド過ぎるんだよ!もうあんたらの阿鼻叫喚にはついていけませんわ、勝手にしなはれと呆れるのを通り越して笑えてきましたなぁ。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]