エンターテイメント日誌

2004年04月03日(土) えっ、気が早いんじゃない?〜来年のオスカー予想!

さて、今年ミュージカル・ファンの間で最大の話題といえば北米ではクリスマス・シーズンに公開されるミュージカル映画「オペラ座の怪人」であろう。まず最新のポスター(←クリック)を見てみよう。

この映画版「オペラ座の怪人」について詳しくは1/3の「エンターテイメント日誌」に紹介しているので参照されたい。

ジョエル・シューマッカー監督は非常に作品の出来・不出来に振幅のある人なので、余り期待しすぎるとしっぺ返しを喰らう可能性も高く、まあ作曲者のロイド=ウェバー卿も今回大博打を打ったわけだが、僕は案外来年のアカデミー賞のダークホースになるのではないかと考えている(現時点で作品賞・監督賞について有力候補なのはマーティン・スコセッシ監督が再びレオナルド・デカプリオと組んだ'THE AVIATOR'やオリバー・ストーンがコリン・ファレルと組んだ'ALEXANDER'など)。シューマッカーが「オペラ座の怪人」の監督候補になったのは1/3の日誌に前述したように1990年のことだから、足かけ構想約15年。本人にも期するところがあるだろう。少なくともゴールデングローブ賞でコメディ・ミュージカル部門の最優秀作品賞はいけるのではないだろうか?役者陣でオスカー候補になる可能性が一番高いのがヒロイン=クリスティーヌを演じるエミィ・ロッサム。兎に角彼女の歌唱力は息を呑むほど凄いらしい。

クリスティーヌを虐めるプリマドンナ=カルロッタ役のミニー・ドライバーは唄えるのだろうかと危惧をしていたが、どうも映画で彼女が実際に唄うのは低音部だけらしい。高音は吹き替えになる模様。それじゃぁ「マイ・フェア・レディ」のオードリー・ヘップバーン(吹き替えはマーニ・ニクソン)と同じじゃないか!これにはいささか失望した。「マイ・フェア・レディ」はアカデミー賞を大量受賞したがオードリーは候補にさえならなかった。吹き替えであるということに非難が集中したからである。ミニー・ドライバーが同じ憂き目にあうのは必定。

「オペラ座の怪人」でオスカーを確実に取れるのは歌曲賞だろう。ロイド=ウェバー卿もそのつもりで映画用に新曲を用意している筈である。かつて「エビータ」が映画化されたときも映画用に"You Must Love Me"を作曲、見事に歌曲賞を受賞しているのである。柳の下の二匹目のどじょうを狙うウェバー卿に果敢に立ち向かうのは久しぶりにディズニー映画に戻ってきたアラン・メンケン(「リトル・マーメイド」「美女と野獣」「アラジン」「ポカホンタス」で総計8つのオスカー受賞)。最新作'Home On The Range'の予告編はこちらから。

ただね、ディズニーを復活させた立役者、ジェフリー・カッツェンバーグがアイズナー会長と喧嘩して会社を飛び出し、ドリームワークスを設立して以降ディズニーは長期低迷が続き、配給で儲けさせてもらっていたピクサー(「トイ・ストーリー」「モンスターズ・インク」「ファインディング・ニモ」)にも愛想尽かされて遂に三行半を突きつけられた。はっきりいって死に体である。果たしてメンケンが救世主になれるかどうかは大いに疑問である。

さて次回は「世界一早い来年のオスカー予想!」である。乞うご期待。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]