エンターテイメント日誌

2002年01月05日(土) 2002年、新年シネはじめ。

 パリから可愛らしい花束が届いた。「アメリ」である。機知に富んだ軽妙洒脱な映画。この作品を観ながらフランス・ヌーベルバーグの名作「地下鉄のザジ」(ルイ・マル監督)を想い出した。「ザジ」を除けば、「アメリ」は過去のどの映画とも似ていない。映画中にトリュフォーの「突然炎の如く」も登場するし、ジュネ監督が「ザジ」を意識して撮ったのは間違いないだろう。両者の主人公の年齢設定やプロットはかなり異なるが、悪戯心に満ちた展開や、フィルムの早回しの手法など相通じるものがる。つまり「アメリ」には、いかにもフランス映画らしいエスプリがあるということだ。
 アメリが仕掛ける様々な悪戯は、よく言えば「善意の贈り物」なのだけれど、一歩間違うと「ありがた迷惑の余計なお世話」になりかねない危うさがある(笑)。それがこの巷で大評判の映画に対して僕が若干の保留を付けたい点である。
 しかしながらヒロインは爽やかな魅力に溢れ、音楽は軽やかで耳に心地よく、観た人すべての心に暖かな灯をともしてくれる愛すべき作品であることは確かである。
 僕の2002年映画事始めはこの作品であった。今年はついている。そんな予感がした。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]