エンターテイメント日誌

2001年03月17日(土) A.I.への期待

スピルバーグの新作映画「A.I.」のスチール写真が先日公開された。
ハーレイ・ジョエル・オスメント君の後ろに何やら意味深にロボット
2体が写っている写真だ。

「A.I.」ーその題名自体が「E.T.」を連想させるのは偶然ではあるまい。
主人公が少年であるというところも両者の共通項である。
久々にスピルバーグがSFファンタジーの世界に帰ってきたと考えて、
ほぼ間違いなかろう。大変嬉しいことである。

スピルバーグはどうしてもオスカーが欲しかった。だから
黒人問題を扱った「カラー・パープル」や「アミスタッド」を撮り、
ノルマンディー上陸作戦を描く「プライベート・ライアン」や
ナチスのユダヤ人虐殺を扱った「シンドラーのリスト」を撮った。
映画評論家の故・淀川長治氏はそんな彼を「物欲しげ」とズバリ
論評された。見事この表現が言い当てているのではなかろうか?

「カラー・パープル」ではスピルバーグ・バッシングが吹き荒れ
ひとつの賞も受賞できなかったが、その反動で同情票も相乗効果
となり、「シンドラーのリスト」はオスカーを大量受賞した。
さらに「プライベート・ライアン」はスピルバーグに2度目の監督賞
をもたらした。
しかし、これらの「社会派」作品を観ながら、僕は何処か彼は無理を
しているという印象が拭えず、何だか窮屈な後味が残った。
もうそろそろ良いだろう。スピルバーグ自身も、そう感じたのでは
なかろうか?そして彼は最も得意とする古巣へ帰ってきた。
「おかえりなさい。」と、そう僕は密やかに映画館で呟いてみようと想う。

「A.I.」の後、スピルバーグはトム・クルーズと組んでSF大作
「マイノリティー・レポート」を撮る予定だそうだ。
先日もキャメロン・クロウ監督の新作に出演中のトムと打ち合わせのために
撮影現場に出向き、ついでにその作品にカメオ出演までしたとか。
スピルバーグ、いよいよスロット全開である。

追伸:我が偏愛する作曲家、ジョン・ウイリアムズが「A.I.」でどんな
新たな音楽の地平を切り開いてくれるのか、それも非常に愉しみである。
今年の年末は「ハリー・ポッター」も控えているし、来年のオスカーは
確実だね、ジョン!


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]