エンターテイメント日誌

2000年12月19日(火) 戦いの火蓋は切られた

僕の予想通りの展開で先週末の映画興行ランキングはハリウッド映画も押しのけ、「バトル・ロワイアル」が堂々の第一位である。恐らくその座は数週間他の作品に譲り渡すことはないであろう。配給収入40億円台という目出度い予想も飛び出した。
「良心的」反戦映画、スピルバーグの「プライベート・ライアン」は観客をあたかも戦場のまっただ中に突き落とすようなバーチャル・リアリティの迫力で、「戦争って怖い。」「戦争なんてもう絶対嫌だ。」という気持ちにさせることに成功した。しかし、「それでも何故人間は戦うのか?」「戦争の無い世界を築くにはどうすればいいのか?」「もし私たちが戦士として戦いの場に追いやられたら、どう行動すべきなのか?スピルバーグ監督ならどうする?」これらの疑問この映画は何も答えを与えてはくれはしない。一方「バトル・ロワイアル」において戦争体験世代である深作爺さんは「若い人たちよ、戦争とはこういうものだ。君たちならこの状況下でどう行動する?自殺するか?それとも自分が生き残るため、あるいは愛する者のために戦うか?人生とは一種の戦場だ。俺達はその中で生きていかなくちゃならない。走れ!」そう熱いメッセージをガツンと送ってくるのだ。カッコイイじゃないか。痺れたぜ、爺さん。
残酷描写が観るに耐えないのかと思いきや、意外と抑制された表現なのにも感心した。首が飛んだり、血が大量に噴き出したりはするが、そのカットが短く編集されているので不快感は殆どない。そりゃあ「サスペリア」のダリオ・アルジェントやその亜流が生み出したスプラッター映画の方がよっぽど品がないぞ。
この映画を政治的に規制しようなんてナンセンス。ただの戦争アクションを題材とするエンターテイメントじゃないか。問題とされるのは主人公達が中学生というその設定一点のみしかない。この映画に刺激されて少年犯罪が増えるって?勝手にさせとけ。この映画の影響で犯罪を犯す馬鹿なら仮にこの映画が存在しなくても、マンガやニュース報道に刺激を受けて結局将来犯罪に走るさ。いっそのこと少年犯罪の報道を一切止めたらどうかね?


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]