東京の片隅から
目次きのうあした


2006年08月04日(金) たまには読書日記

川上弘美「ニシノユキヒコの恋と冒険」読了。いつもの川上節。安定感があるのに、どこかふわふわしている。それは主人公のキャラクターも同じ。具体的な描写はないのに浮かんでくる景色。あっという間に読み終わってしまったので、既読のエッセイなども読む。

三浦しをんが気になる。一度立ち読みしたときに「同人誌っぽいなぁ」と思ったのだが、やはりたいそうな商業誌・同人誌を含めたマンガヲタクらしい。だが普通の小説もきちんと読んでいる感じ。漫画家の今市子と同じ匂いを感じる。受賞コラムを読んで、エッセイが面白そうだなぁと思う。

日本経済新聞の夕刊に週一で連載されている板東真砂子のエッセイが面白い。ちょっと前の毎日新聞土曜盤にも連載されていたタヒチ暮らしの話がメイン。タヒチといえばゴーギャンによって作り出された「地上の楽園」的な幻想があるが、ただ楽園なだけではなく、彼の絵の暗さにも見られるような「翳」が行間から立ち上ってくる。日差しが強いからこその陰の暗さ。姉が仕事で行っていた南の島のことを思い出した。あの島もこんな匂いがした。


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