東京の片隅から
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風が強い日だ。電車の窓からは白い富士山が見えて、早咲きの桜が咲いていたりする。 こんな日に西日本では黄砂が降ったりする。 黄砂は、ゴビ砂漠から飛んでくる。砂が飛んでくる、という感覚が私にはよくわからなかった。私にとっての砂は、九十九里の黒くて重い砂だ。 実感したのは実際に敦煌に行ってからだ。 敦煌は、タクラマカン砂漠の入り口にある。西安から飛行機に乗っていくのだが、地上をずっと見ていると、ずっと畑が続いていたのが、あるラインから、本当に線を引いたように荒野になる。そこから先は何もない。ただ土の起伏があるだけだ。 そして、砂漠の砂は本当に粒子が細かい。グラニュー糖よりも細かいかもしれない。これでは飛んでくるはずだ、と納得する。
鳥取大学の遠山先生が亡くなったという話を聞いた。葛の種を集めて砂漠に撒き、土壌流出を防ぐ方法を実践していた。砂漠が緑になる日は来るのだろうか、そんなことをかつて自分が見た砂漠を思い出しながら考えた。
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