東京の片隅から
目次|きのう|あした
父親は運送屋である。仕事柄一日中走っている。 食事中、その父がふと言った。 「今日さ、走っていて自転車の女の子が走っていたんだけど」 「うん」 「平地を走っている時はいいんだけど、上り坂でジーンズと背中の間が見えるじゃない、それが普通じゃなくて、お尻の凹んでいるところが見えんのよ」 「あぁ、今年はヒップハンガーっていう股上の浅いのが流行りだからね」 「パンツが見えるどころの話じゃなくて、それこそお尻の穴まで見えるんじゃないかってくらい。でね、追い越すときにふと顔を見てみたら、たいしたことないのよ」 「いや、たいしたことないからそういう露出の多いのを着るんじゃないかなぁ」 父にとっては、露出の多い女性=自分に自信がある=いい女、らしいが、本当の「いい女」は露出が少なくてもモテると思う。むしろコンプレックスがあるから流行に飛びついたり露出を増やしたりするんじゃないか、と最近思うようになった。 コンプレックスは隠せという時代ではないからね。でも私はどうしてもダメだ。「年相応」ではなくて、「自分相応」でいたい。
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