ゆえの日記
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また友人の日記を「無断転載」します。 長いので心して読んでください。
今回初めての中国出張であり、当初は不安いっぱいの旅で、 また個人的には、新聞報道や文献等から知り得る範囲で解釈している 「中国のイメージ」は決していいものではありませんでした。 「大地の子」(山崎豊子原作)を読み、上川隆哉が熱演したNHK制作の連続ドラマ の印象が、 そのまま「現代中国」とオーバーラップしてしまいます。
今回も中国へ渡る1週間前に香港に出張した時に、 制作請負会社とこちらから提示するブース設計仕様とコスト見積の打合せをする 段階で、 「後出しジャンケン」を平気でやるビジネス習慣を体験し、 また杭州でも中国駐在のメンテナンス&機械据付担当社員から「中国の連中には ガンガン言って、 初めて並の対応になるんじゃけん」のアドバイス通り、 展示会場でのブース設営のいい加減さやクレームに対する甘い対応にも閉口する ことばかり。
日本では一人で行なう作業に何人も関わる非効率な作業と大雑把な仕上げ… (13億人が食べていかなければいけないお国事情からかな?)
本番開催前日にもかかわらず、まだ機器のチェックが終わってないのに 5時になると勝手に帰ってしまった映像音響システム担当者… (中国人Construct Directorにクレームを入れても、とうとう戻ってくることは 無く、 私達が夜中まで配線処理や調整をするはめに!)
こんな対応にもかかわらず、香港の制作請負会社のマネージャーは、 悪びれることもなく「いかに自分達が素晴らしい仕事をするか」と得意満面に喋 り、 こちらからのクレームに対しては「事前にオファーしない日本側(そんなことは いちいち言わなくても常識のこと!)と 中国側の問題」として第三者的な立場で責任転嫁する始末!
ただ短期間ですが、個人的に接する限り彼らも決して「悪人」ではないというこ とは分かります。 欧米でも大なり小なり、ほぼ似たような経験がありますし、 結局のところ「中華思想」「ビジネス習慣」「社会システム」「教育」など文 化・環境の違いを、 こちらが違和感として受けとってしまうのかも知れません。
中国駐在の同僚曰く 「だから岡ちゃんは、甘いんよ〜!絶対に自分の非を認めない、 それが中国式。1%でも非を認めたんじゃ、こっちでまともな仕事できんよ。 日本の常識は、世界の非常識じゃけん!」と厳しい一言…
それが現実ですよね!!
仕事が終わってからの時間は、昼間ストレスを溜めこんだ分、食事に力が入りま す。
宮崎君は、日本語が分かるホステスのいるカラオケ&トーキングクラブ (Jim曰く、筆談するからライティングクラブだって…)にはまってしまい、 「もう日本には帰らない!」とわめく始末。(まったく、これだから日本人はな められる・・苦笑)
いっぽうの私は、と言えば…こちらは、いたって健全。
これから話すことは、宮崎君とJimにことの経緯を話しても、 「ケッ、けたくそわりー!」とさんざん罵られ、「何割か創作が入ってるだ ろ!」 「会社の金で何しに行ったの?」と罵詈雑言の雨あられだった、 「未来日記、チャイナ杭州編」ですが、聞いてやってください。
実は、5時に仕事がおわるやいなや業務が一段落しなくても帰宅する中国人が多い 中、 現地の派遣アシスタント(23才)が日本語習得に熱心で、 「よかったら時間をとってもらえませんか?」と申し出てきました。 この春、専門学校を卒業し、コンサルティング会社の派遣スタッフになったばか りだそうです。 (添付資料写真1、2参照:今の日本のトレンドとはかけ離れていますが、ナチュ ラル・チャイナ娘)
3日間にわたり夕食から市内散策、 そのあとは深夜3時まで営業する茶房で夜中まで国家試験用日本語テキストと問題 集を使った 「プライベート日本語講座」というパターンの生活を続けてしいました。 早めに仕事が終わった日には、 3時頃から彼女の提案で観光スポットでもあり 市民の憩いの場の西湖に自転車人力車に乗って出かけました。 湖畔のベンチに腰掛け、 秋風に吹かれながら日本語テキストを一生懸命読んで聞かせてくれる彼女の横顔 を見ていると、 「真摯な前向きさ」に、こちらの方が疲れきった心が癒されていることに気づい たりしてね。
日本人の同僚からは、 「何でそこまでするの?スレてない娘だと分かってても、 逆に裏があったりしてヤバイんじゃないの!」とか、 現地法人の中国人からも 「彼女、真面目な女性。変なことしない方がいいよ!」と忠告されましたが、 僕は断言します。
こちらは清廉潔白、下心なし!
彼女もたぶん、単純に日本に対する憧れを僕に重ねていただけだと思います。 「日本語が勉強できる機会だし、ご飯も奢ってもらえそう…」程度の軽い気持ち だったのかもしれません。 杭州を舞台に、無名の日本人サラリーマンとチャイナ娘が「平和自主建設的中日 語学交流」を繰り広げ、 国境を越えた「情」を交し合っただけで、 「色」とか「欲」や「金」といった世俗的な価値観は二人の間に介在せず、 ただ「知的向上心」を基盤とした「人間的交流」であったことを、ここに宣言し ます。
(「ゴチャゴチャいい訳がましく宣言するな!」っつーの…:宮崎くん談)
最後の夜、「仕事で3日間サポートしてくれたお礼に」と思い、 何かプレゼンとしようと申し出ましたが、 「個人的な時間を割いて日本語を教えてもらい、美味しい食事をたくさんご馳走 してもらいました」と かたくなに固辞する彼女。
少し早い夕食を済ませ、市内の百貨店(スーパー?)に立寄り 「日本に持って帰るお土産を買うから、選んで!」と頼み、 彼女がチョイスしたアクセサリーを買って、店を出た時点でそれをプレゼントし ました。
その時の彼女の戸惑いと、少女のように喜ぶ姿が印象的でした。(おじさんのツ ボを心得てるよ、まったく!)
そうこうしながら、いつものように茶房で飲茶しながら軽くビールを飲み、 日本語学習と世間話に花を咲かせているうちに夜半も過ぎ、閉店時間が迫ってき ました。
何となく、しんみりした空気が流れる中、彼女が封筒を差し出してきました。 「変な日本語ですけど、読んでください」
たどたどしくも几帳面な字で、5日間の思いでが綴られ、 手紙の最後にはこう書かれていました。 「・・・もし明日、阿治が北京行かなかったら、時間が多いです。 まだ一緒に交流するです。一緒で遊ぶです。今夜が最後。手をつないで散歩しま す・・・」
初めてプライベートで西湖の湖畔に出かけた日、 人ごみの中、何気に彼女の手を握ろうとして、(←おいおっさん、いきなりか よ!:宮崎くん談) 「手握るダメ。恋人同士だけ・・・。日本は開放、中国の伝統…ダメね。」と 思いっきり拒否されたことが頭をよぎりましたが、 意を決してテーブルの下でそっと彼女の手を握ると、うつむき、 そして何かが吹っ切れたような視線を向け、その手をしっかり握り返してきまし た。
二人無言のまましばらく時間が流れ、 彼女が鞄の中からあらかじめ用意していた包みを差し出してきました。 包みをあけると、中国製のネクタイが1本・・・「私達の思い出です。杭州市は絹の 産地です」
僕からのプレゼントを遠慮していた彼女、実は僕へのプレゼントを用意していた その「気持ち」に、 マジで心打たれたことは言うまでもありません。
タクシーをひらうため、茶房から大通りへ向かって歩きだすと彼女の方から手を つなぎ、 子供のようにずっと僕の手を強く握っていました。 大通りに近いバス停のアカシアの木陰で足を止めた彼女から 「眠くないですか?」と尋ねられ、 僕は「?????」。 ××××××××××××××××××××××××××××××××××× ××××××××××××××××××××××××××××××××××× 二人にとって、「お互いの中で込上げる感情」と「残された時」が交錯する闇夜 のなか、 時間だけが過ぎてゆきます。
彼女はじっと僕の目を見つめ、逆にこちらが照れて視線をそらした瞬間、 「グッバイ キス!」と独り言のように呟き、僕の頬にキスして、 大通りに向かって小走りに走りながら、 「×××××(中国語)…楽しかったですョ!再見!」と叫んで行ってしまいました。
その姿は、スローモーションで再生されるセピア色の映画のようで、 僕の頭の中は「銭塘江の潮」状態…状況把握、 理解不能の僕は訳がわからなく茫然と彼女を見つめるだけでした。
次の朝、空港へ向かうため、部屋でチェックアウトの荷造りをしていると突然部 屋の電話が鳴り響き、 受話器をとってみると、ほんの数時間前に別れたばかりの忠琴から…
「今日は会えないから、元気で帰ってください。 最後、泣いてしまったから、恥ずかしかったですよ。 理由は、嫌いじゃないですよ」
こうして、中国での「未来日記・・・杭州編」は終了しました。
北京に向かう飛行機の中で浸っていると、 宮崎君が「結局、彼女と何かいいことありました〜?」なんて、 下衆なこと聞いてくるものだから、シカト!
しかし冷静に考え客観的に見ると 「街を案内してもらった」 「毎日一緒に飯を食った」 「手を握った」 「プレゼンとを貰った」だけのことであり、 何を大騒ぎしてるんだろう…とは思います。
ただ40を越えたオヤジが、 20数年前の「純真な高校生」の気分にワープできた今回の経験に 心踊らしているだけなんですけど…。 何だか自分で書いてて、恥ずかしくなり、 Delateしようと思いましたが、せっかく書いたので送りますね。
こんなメールにはどう返事したらいいでしょうか… わかんなくて2週間送っていません。 は〜そろそろ送らなくちゃダメなのに…なんて書けばいいのよ。
オヤジ過ぎて…わかんないです。
ゆえ

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