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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2002年08月28日(水) --

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『くるくるロールケーキ』

「わぁ、かわいい」と書店で感動して、 ちょっと仕事で必要になったとたん、すぐ買ってしまった。 しかし、この本を持っているからといって、 私がこの手でロールケーキをつくるなどと、 だいそれたことを考えているわけではない。 ただ、ながめて楽しむのである。 いや、もしかしてひょっとすると、いつか道具をそろえて 挑戦するかもしれないが。

著者の津田陽子さんは、京都で「ミディ・アプレミディ」という 紅茶とお菓子のお店を経営していて、 そこの名物が、「フロール」というロールケーキなのだそうだ。 食べたことはないけれど、なんとなく名前からも 極上のふわふわしたやわらかさが想像できる。 フランスで本格的にお菓子の勉強をして身に付いた薫り のようなものが、ずらり並んだ46種類ものロールケーキの姿に きちんと反映されているのだった。

だから、私のように料理をほとんどしない者、 このレシピ集を、ロールケーキの写真集と思って買う者にも アピールするのだと思う。 無垢な丸っこさが、どこか赤ちゃんを連想させるロールたち。 だいたい、ロールケーキというものが、薄く焼いたスポンジ生地と クリームを、巻き寿司のごとく一緒に丸めて作るものだという 事実に気づいて、改めて納得するような人間だから。

スライスして1ページに収まったロールたちは、 「の」の字の巻き加減も絶妙、上品なのにインパクトがあって。 おいしさの半分は、やはり見た目だ。

子どものころ、「スイスロール」がそれなりに 豪華なおやつだった世代にとっては、 ここに登場するロールケーキは、どれをとっても 天使のはからいである。 (マーズ)


『くるくるロールケーキ』 著者:津田陽子 / 撮影:日置武晴 / スタイリング:高橋みどり / 出版社:文化出版局

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