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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2002年06月19日(水) --

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『横森式シンプル・シック』

☆部屋は人生の縮図。分かってはいる…。

最近の私にとって、「シンプルライフ」とは、 憧れというよりはすでに、「強迫観念」の域に達している。 雑貨系ごちゃごちゃ生活を強く愛する私でも、 自分の部屋の混雑ぶりを見ると、 「これが、私の人生…」と、ちょっと途方に暮れそうになる。

他の人の場合はどうかは知らないけれど、 確かに、生き方の大部分が部屋のあり方に現れているような気がする。 「人生の縮図」大げさかもしれない。 大げさかもしれないが、やはり、私の部屋を見ていると、 当然のように、自分の生き方も浮かび上がってくる。

ここまで分かっているのに、何ともならないのはなぜか。 この問題のメンタルな面にヒントをくれる本が、 『捨てる!技術』 物を捨てると言うことにつきまとう、ネガティブな気持ち、 罪悪感を払拭するための啓蒙の書だと思う。

※『「捨てる!」技術』  著者:辰巳渚 / 出版社:宝島社新書
 続編は『「暮らす!」技術』

で、気持ちの面をクリアしても、 次に、「現実」に捨てるという、大問題がある。 実際問題として、今日、捨てるということは、とても難しい。 細かな分別。すでに、分別の段階で、 どこに分類していいのか分からないあれこれ。 素材がミックスされた物ともなると、どうしていいかわからない。 調べてみると、ごみとして引き取ってもらえないあれこれもある。 ごみはただではない。 捨てるということだけでも痛みを伴うのに、 物によっては、経済的な痛みまでついてくる。 じゃあ、いつ、どこへ頼めばいいのか。 一体、いつ、どうやって捨てればいいのか。 それなら、飾っていた方がましかも。 開かずの引き出しのまま、放置しておく方が、部屋はすっきりしているかも。 頭で分かっていても、「現実」には、どうしようもなくなってしまう。

もともと、シンプルライフを送っている人、 整理上手な人からのアドバイスというのは、 すでに、混沌と言っていいほど、物を持っている身には、 何だか机上の空論、砂上の楼閣、という感じ。(え、ちょっと違う?)

で、『横森式シンプル・シック』の第一章には、 著者の横森さんが引っ越しのために物をいかに処分したかという、 実体験がつづられているから、現実的で、かなり興味深く、読んだ。 捨てるという大仕事。捨てるという重労働。 ある意味、「引っ越し」による整理は簡単かもしれない。 引っ越し先のキャパシティには限りもあるし、 物の選別にも飽きて、面倒になれば、えいやっと、 以外とあっさり捨てられそうだし。 場合によっては、必殺技の、実家に置いていく。 これができるから、自分は身軽に新たなシンプルライフに 飛び立てるだろう。 けれど、いま住んでいる空間の中で、 物を捨て、シンプルに生きるとなると、 なかなか大変だ。 ある意味、人生をやり直すに等しい決意がいる。 そう、今日までの「人生の澱」をすべて吐き出そうという ことなのだから、そう簡単にはいかない。 簡単ではないが、とりあえず、 『横森式シンプル・シック』の第1章には、 「現実」に物を捨てるということのヒントがあったと思う。

第二章以降は、横森さんのライフスタイル、暮らしや物への価値観が、 おしゃれな写真とともに紹介されている。 この辺は、シンプルライフの紹介というよりは、 雑誌のこじゃれた雑貨特集のノリなので、 そういうのが好きな人には楽しいだろう。

シンプルライフへの関門は、 メンタルな面と、実際にどうやって捨てるのかというきわめて現実的な 二つの問題をいかにクリアしていくか。 より実際的な問題として、いつ、どこへ、どうやって捨てるのかという、 決して、啓蒙の本や、HowTo本では解決できない、 非常に個人的かつ、地域的な問題へと収斂されていくのである。 私にとって、結局、シンプルライフ、 そのための物を捨てるという問題は、 住んでいる地域の行政と、経済力の問題といえる。

さて、とりあえず、燃えないごみのさらなる分別方法と、 収集日を調べることにしよう。

※ 追記;
ところで、捨てることの大変さを骨身に染みて知ってしまった私は、 あまり物を買わなくなった。物を買うのが好きだったけれど、 最近は、物を買うことにさほどのカタルシスはない。 それはもちろん、精神的にも、現実的にも、捨てるのが難しいからだ。 とにかく、一度、この状態をリセットすることができれば、 これから先は大丈夫だと思うけれど。 …でも、本を買うことだけは、やめられません。 (シィアル)


『横森式シンプル・シック』 著者:横森理香 / 出版社:文芸春秋

※ 目次;
第一章 今いるムサ苦しい場所をなんとか居心地よく 生活改善計画実践編 / 第二章 好きな場所で、好きなものだけに囲まれて暮らす 生活お洒落計画実践編 / 第三章 隅々まで妥協しないのが、満足のいく人生を築くコツ ライフスタイル編 / 第四章 何を食べ、どう生きるか? シンプルライフチャレンジ編

2001年06月19日(火) 『ウィッチ・ベイビ』

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