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夢の図書館新館

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-- 2001年12月14日(金) --

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『クリスマスのフロスト』

☆特集:『英国オヤジ刑事四人衆』その(5)

ここはロンドンから70マイル離れた田舎町デントン、 架空の街ではありますが、再開発された住宅地が増殖して 落ち着いた旧市街地を飲み込むのも時間の問題。 品の無いジョークとセンスの悪い服装と だらしないオフィスといいかげんな書類仕事、 プイライベートの時間もほとんど取らない仕事魔で 現場には人望も有る秘かに冴えてるフロスト警部は デヴューと同時に日本でも大人気となりました。 他の英国有名刑事達と上手く振り分けてある、と 言うのも変ですが、こちらの警部は 奥さんを病気で亡くしたやもめ暮らしです。

「創元」のフロスト物はこれまでの 「ハヤカワ」三オヤジ刑事物とは 若干雰囲気が異なります。 ハヤカワの三オヤジは警察官というよりある意味名探偵、 舞台は由緒ある街、随所に文学的な香りが漂います。 言い換えればアニアックかつスノビッシュ。 一方フロスト警部のシリーズは 一日の業務を丹念に記した警察小説であり ごちゃごちゃした町も風采があがらず仕事が好きな主人公も 馴染み深い日本の風景とオヤジさんを彷佛とさせます。 これは日本で人気がでますよね。 イギリスらしい場面といえば 凍えるクリスマス前の町で警部が あっちでもこっちでも暖かいお茶を 振舞われている所でしょうか。

『クリスマスのフロスト』はR・D・ウィングフィールドの 処女作だそうですが、細部は丁寧に書き込まれ 断片的に発生する事件はきちんと流れを追う事ができ、 全体の構成もばしっと決まって 良く出来たTVドラマのように読みやすいなあと思ったら、 現役の脚本家さんなのだそうです。納得納得。 (ナルシア)


『クリスマスのフロスト』著者:R・D・ウィングフィールド / 出版社:創元推理文庫

2000年12月14日(木) 『ユング』

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