| 2006年10月21日(土) |
コングラチュレーション! |
それが何であれ、『式』というものは常に緊張感を伴うものである。 だが、見方を変えると、それは可笑しいものになる。 今日の結婚式もそうだった。
まず見せられたのがこれ。

昼間からいきなりのキスシーンである。 教会でやる結婚式に出席したのは初めてだったが、もちろん式中にキスシーンがあるというのは、映画やテレビなどで見たことがあるので知ってはいた。 だが、『口づけ』というのはあくまでもドラマの中の演出であって、一般的には額や頬にするものだと思っていた。 しかし現実はこうだった。 ここでBGMが変わったくらいだから、非常に感動的なシーンなのだろう。 特に女性にとってはそうだと思う。 だが、それをやっているのがタマコだと思うと、ぼくは可笑しくてならなかった。
教会の厳かな雰囲気の中、外国人神父の声が響き渡る。 会場にいる人は皆、緊張感を持ってそれを聞いている。 だがぼくの意識は、外国人神父の片言の日本語に注目する。 「神の愛」「夫婦の愛」 キリスト教はやたら「愛」を連発するものだが、この外国人神父は「愛」を「アーイ」と発音するのだ。 ぼくはそれがおかしくてたまらない。 しかし、厳粛な教会の中、笑うわけにはいかない。 が、笑ってしまった。
それにも増しておかしかったのは、タマコの声だった。 「タマコさーん」 「あい(はい)」 「…この祈りの席に、心から節操を守ることを誓いますか?」 「あい、誓いまーす」 緊張感のない間延びした声、まるでいつもの口調なのだ。
お色直しのたびにタマコは披露宴会場を退出する。 スポットライトはその姿を追い、MCはその姿を言葉で飾る。 ドレス姿のタマコ、ライトアップされたタマコ、ナレーション付きのタマコ、まるでファッションモデルのようだ。 そこに出席していたすべての人が、盛大な拍手でタマコを見送った。 しかし、もしこの演出がなかったとしたら…。 実は、タマコはいつものように、ノシノシと体を揺らしながら歩いていただけなのである。 ぼくはそれに気づいて、ひとりで笑っていた。
ということで、今日はタマコの結婚式の模様をお伝えしました。
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