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2006年06月06日(火) 教祖誕生

友人のオナカ君は、ぼくによく「教祖になれ」と言う。
独立を考えている今、それも悪くないとは思うが、ぼくは教祖になる素質を持ち合わせてはいない。
霊能者でもなく、人を導くような教義を持っているわけでもない。
何よりも教祖に不可欠なカリスマ性というものがないのだから、それは無理である。
もしそれでもなるとしたら、インチキ宗教の開祖になるしかない。

そういえば、昔読んだマンガに『笑う宗教』というものがあった。
辛い時も、悲しい時も、笑っていれば救われるというものだったが、これなら出来そうな気がする。
最近は笑うことが少なくなったが、ぼくは元来笑い上戸の男なのである。
小学生の頃などは、人のすることがおかしくて、いつも一人で笑っていたものだった。

しかも、笑い出すとなかなか止まらないのだ。
そのために腹は痛くなる、涙は出てくる。
そういう自分がおかしくて、また笑ってしまう。
先生はそれを見て、「あんた何がそんなにおかしいんね。他の人は誰も笑ってないやろ?」と言う。
「だっておかしいもん」
と、その問答がまたおかしく感じる。
で、また笑ってしまう。
すると先生は怒ってしまい、「授業の妨げになる。廊下に立ってなさい!」と怒鳴るのだ。
廊下に立っていても、しばらく笑いは収まらなかったものだ。

しかし、考えてみると、あの頃が一番楽しかった。
もしかしたら、それ以降あまり笑わなくなったから、楽しくなくなったのかもしれない。
楽しいことが福なら、やはり笑う門には福がくるのだろう。

そうだ。これだ。
笑っているだけで、儲かるのだから、これはいい商売だ。
元手がいらないのだから、お布施がすべて利益になるわけだ。
しかし、それならぜひオナカ君に教祖になってもらいたい。
何せ、オナカ君の高校時代のあだ名の一つが、『笑い仮面』だったのだから。
ぼくは教祖様の取り巻きでいい。
つまり、映画『教祖誕生』の中の、岸部一徳役で充分ということである。


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