| 2005年08月20日(土) |
不倒翁(おきあがりこぼし) |
1週間ほど前から、周りの人に「しんちゃん、痩せたねえ」と言われるようになった。 そういう自覚はなかったのだが、そう言われると、常に肥満気味を気にしているぼくとしては、嬉しい。
「そうかねえ?」 「顔がほっそりとしてきたよ」 「そういえば、最近ズボンが大きく感じるようになった」 「夏痩せしたんかねえ?」 「いや、そんなことないよ。ちゃんと食欲もあるし」 「じゃあ、ダイエットでもしよると?」 「ダイエットと言うほどのことやないけどね」 「何しよると?」 「やずやの香醋を飲みよるだけ」 「えっ、それだけで痩せれるん?」 「いや、それだけじゃないけど」 「他に何かしよると?」 「寝る前に、起き上がりこぼししよるんよ」 「起き上がりこぼし?」 「うん。体操座りするやん。その格好で後ろに転がって、また元に戻すんよ。これを繰り返すだけやけど」 「それがダイエットにいいと?」 「腰痛のために始めたんやけどね。痩せたんなら、ダイエットにも効果があるんやろうね。他には何もしよらんけね」
8月6日の日記のタイトルは、『腰痛を治すぞ!』だった。 あの時、「腰の力を抜き少し前屈みになっているような姿勢で立つと、腰の痛みが消える」と書いた。 ところが、そうやると確かに腰の痛みは消えるのだが、前に屈んだ時に背中が張るような感じがするのだ。 おそらくそれまで、姿勢を正しくしていようと、立っている時にずっと体を反らしていて、前に曲げるようなことをしなかったことのツケが回ってきたのだろう。 体が硬くなってしまっているのだ。
とりあえず、少しは体を柔らかくしておかないと、腰痛は治ったにしろ、そのせいで他の箇所に支障が生じるおそれがある。 ということで、家に帰ってから柔軟体操を試みた。 やはりかなりからだが硬くなっていた。 とにかく前に曲げられないのだから話にならない。 途方に暮れたぼくは、昔やっていたように体操座りをしようとした。 ところが、手は届くものの、体が硬いせいで、前に曲がらないのだ。 それでも、何とかその格好に持っていった。 腕は伸びきっているために疲れるし、体は無理矢理前に曲げているために息苦しいし…。 しばらくして、腕が疲れたので手を組み直した時だった。 バランスを失って、そのまま後ろに転がってしまったのだ。 ところが、後ろに転がっている時、何とも言えない痛気持ちよさがぼくの中を駆け抜けた。 背中を丸めていたせいで、腰や背中が順に床に触れていく。 床に触れた時、そこに体重がかかるため、ちょうどそこを指圧されたような感じがするのだ。 つまり、床が腰や背中をマッサージしてくれたというわけだ。
「これはいい!」 そう思ったぼくは、転んでは戻り、転んでは戻りを20回ほどやってみた。 終わってみると、腰や背中の痛みは緩和されているし、体も少しは柔らかくなった。 さらにいいことには、腹筋が少し痛くなっている。 つまり、腹筋が鍛えられているということだ。
ということで、それ以来、その運動を毎日50回やっている。 おかげで、先の人が言うように、体も締まってきたのだ。 これをずっと続けていたら、夢の『体重70キロ切り』も、そう遠くない時期に現実のものになるだろう。 不倒翁か。 まさしく転んでもただ起きんわい。
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