【漢字を発明したのは日本人?】 10年ほど前に、『漢字を発明したのは日本人だった!』という本が話題になったことがある。 何でも、甲骨文字を作ったのが日本人の先祖で、その当時は彼らが大陸を支配していたというものだった。 甲骨文字は、漢字のもとになった文字だと言われているが、漢字ではその甲骨文字を解釈できないのだそうだ。 ところが、それを日本の神代文字で読むと、ちゃんと文章になるのだという。 だから漢字を発明したのは日本人である、といった内容の本だった。
そこには面白いことが書かれていた。 中国春秋戦国の頃に『斉』という国があった。 これを旧字で書くと『齊』となるが、この文字をばらして、神代文字で読んでみると『いづも』と読めるらしい。 『いづも』、そう『出雲』である。 斉と出雲は歴代の王の数も一致するし、同じような国譲りの話もあるという。 決して斉の歴史を、日本の出雲が真似たのではない。 なぜなら、その当時の斉つまり出雲は、大陸から日本列島にかけて広域な範囲を支配していたからで、同じ歴史を記録しているのだという。 ということで、日本神話にある出雲の国譲りの話は、すなわち中国の斉で起こったことで、どこに譲ったのかというと、始皇帝で有名なあの『秦』の国であったというのだ。
ま、興味のある人は読んで見て下さい。
【神代文字】 神代文字と言われても、ピンとこない人がいるかもしれない。 これは漢字が我が国に伝わって来る以前に使われていた、我が国独自の文字で、トヨクニ文字、アヒルクサ文字、ホツマ文字など数種の文字がある。 ちなみに、カタカナのもとになったのは漢字ではなく、実はこの神代文字だと言われている。
まあ、この神代文字のことは、その筋の本がいくつも出ているので、詳しく説明するのは避けることにする。
【開】 先の『漢字を発明したのは日本人だった!』ではないが、漢字を見ていると、時々「はて、こういうものが中国にあったのか?」「これは日本の文化ではないのか?」という文字にお目にかかることがある。 その代表が『開』という文字である。 『開』、漢字源の解字では『門のかんぬきを両手ではずして、門をあけるさま、または「門+幵(平等に並んだ姿)」で、とびらを左右平等にひらくことを示す』となっている。
ちょっと待ってほしい。 この解釈は、どうもこじつけのような気がしてならない。 門の中にあるのは、平等に並んだ姿となっている。 その並んだものは扉だといっているが、扉が平等に並んでいるのなら、それは閉じているということになりはしないだろうか。 閉じているものを、どうして開くと読ませるのだろう。
ぼくに言わせれば、門の中にあるのは、平等に並んだ姿でも何でもない。 日本人なら誰でもわかることだが、あれは鳥居である。 門というのは、すなわち神社の入り口に配置された、狛犬や旗のたぐいである。 そこを通り過ぎると鳥居がある。 そこから先は、神域である。 つまり『開』というのは、神域の開示を表した文字なのである。
神代文字で解釈する方法もあるだろうが、神代文字を知らないぼくたち素人には敷居が高すぎる。 こういう身近なところから、「漢字を作ったのは日本人だ!」という証明が出来ないものだろうか? もしそれが出来たとしたら、日本の、いわゆる謎の古代史も開示されると思うのだが。
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