| 2004年04月08日(木) |
用がある時、いつもそこには人がいる |
【その1】 例えば、ある商品が入荷してきたとする。 さっそく出そうと思って、そこに商品を持って行ったところ、なぜか人が立っている。 おかげで、出すことが出来ずに、商品を持ったまま、その周りをウロウロしている。 いつもこうである。
例えば、本屋に行ったとする そこで本を探していると、隣の棚にいい本がある。 ところが、なぜかそこに人が立っていて取れない。 いつもこうである。
例えば、キャッシュディスペンサー。 店には2つの銀行のキャッシュディスペンサーが置いてある。 給料日はそこでお金を下ろしているのだが、他の会社の給料日もその日のため、いつも長蛇の列が出来ている。 そこで、空いた時に行こうと思って、いつも売場からキャッシュディスペンサーのほうを見ている。 幸い、誰も並んでいない。 「今だ!」と思い、急いでそこに行く。 と、どこから現れたのか、もう人が立っている。 いつもこうである。 万事がこうである。 そう、ぼくはこういう運の持ち主なのである。
【その2】 今日、夕方少し暇になったので、薬局に行って、薬剤師のH先生と話をしていた。 先日も話したとおり、H先生は、ぼくの高校の先輩である。 高校の話から発展して、地元出身の有名人の話になった。 「そういえば、何年か前に、北九州が舞台になったNHKドラマがあったねえ」 「何年か前にあったNHKドラマ…?ああ、村田喜代子原作のやつですか」 「そうそう。で、その時の女優、誰やったかねえ?」 「栗原小巻でしょ」 「ああ、そうか。栗原小巻か。さっきパートさんとその話になってねえ。その女優の名前が出て来んやったんよ」 「そうなんですか」 「で、栗原小巻は、こっちの出身らしいね」 「そうやったですかねえ。お父さんは、ぼくの小学校の先輩だと聞いてますけど、娘もそうやったんですか?」 「そうよ。小さい頃こっちで育ったらしいよ」 「へえー」 「女優と言えば、黒崎出身の女優がおったねえ」 「ああ、いましたねえ。えーっと、誰やったか。顔はわかるんですけど。えーっと…」 そこにパートさんが戻ってきた。 先生がそのパートさんに「黒崎出身の女優、誰やったかねえ?」と言うと、パートさんは「またその話ですか?」と苦笑いした。 その後、三人で、その女優の名前を思い出そうとしたが、なかなか出てこない。 結局、名前が思い浮かばないままになってしまった。
こういう時、ぼくはムキになって思い出そうとする癖がある。 売場に戻ってから、しばらくそのことを考えていた。 『ああ、確か、下の名前は、みどりやった」 しかし、姓が出てこない。 ここで悪戦苦闘すること30分、ようやくその答えが落ちてきた。 「ああ、そうか。萩尾やった。萩尾みどりやった」 さっそく、喜び勇んで、薬局に報告に行った。 ところが、そこに人がいた。 どうも話が長引いているようだ。 しかたがないので、ぼくは売場に戻った。 そしてそのまま時間は過ぎていった。 結局、今日は報告出来ずに終わったのだ。 いつもこうである。
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