頑張る40代!plus

2003年06月16日(月) 窓から見える風景

夕べ飲み過ぎて不覚にも眠ってしまったため、またもや翌朝にこの日記を書いている。

午前5時前に目が覚めた。
空がまだ薄暗い中、鳥たちはすでに目覚め、朝のさえずりを聞かせていた。
それからほどなく夜は明け、朝の風景がぼくの部屋の窓一杯に広がった。

ぼくの部屋の真正面には公園がある。
小学6年の頃、友だちとブランコで遊んでいた。
そこにクラスの女の子がやってきた。
ぼくは格好つけて、ブランコから飛び降りた。
ところが、着地の時にバランスを崩してしまい、こけてしまった。
翌日、クラスでそのことが話題になり、ぼくはクラス中の笑い者になってしまった。
ブランコは、今も変らず同じ位置に設置してある。

また、中学の頃、その公園に牛が繋がれていたことがある。
ぼくと友人は、恐る恐る、その牛に近づいていった。
ぼくたちと牛との距離は、およそ1メートルになった。
そんなに近くで牛を見るのは、生まれて初めてだった。
さすがに牛を触る勇気はなかった。
しかし、せっかくの初体験である。
見ているだけではもったいないと思ったぼくは、「バーカ」と言ってみた。
すると友人は、「バカとか言うて、わかるわけないやないか」と言った。
「じゃあ、何と言えばいいんか?」
「こういう時は…、アホやの」
「変らんやないか」
「いや、アホでいいんよ」
彼は牛に向かって「アホー!!」と怒鳴った。
すると、牛の鼻息が急に荒くなった。
そして前脚で地面をかき始めた。
「おい、お前がいらんこと言うけ、怒り出したやないか」
「知るかっ!」
ぼくたちは慌てて逃げていった。
そういった思い出を持つ公園である。

その公園に十数本の樹木が植えてある。
秋になると、赤や黄色に色づき、見応えがあるのだが、今は緑に覆われている。
その緑が、ずっと森まで続いている。
その緑の中に、百姓成金のような家の屋根が見える。

その森の向こうに、新興住宅地が見える。
ぼくが小学校に通っていた頃、そのへん一帯は田んぼだった。
農閑期には藁が積んであって、そこでぼくたちは空中回転やバク転の練習をしたものだった。
友人Kが野グソをたれた場所も、ここからはっきりと見えている。

そのまた向こうには、ぼくの通った小学校が見える。
ぼくが通った頃の汚い木造校舎とは違い、近代的な鉄筋校舎である。
今の校舎は、かつての運動場のあった位置に建ててある。
かつて校舎のあった位置が、今の運動場である。
あの頃はかなり広く感じた運動場も、今行ってみると狭く感じる。

その小学校の裏に小さな山があった。
理科の時間に、ドングリや松ぼっくりを拾いに行った山だ。
小学校から狭い道を抜けてその山に入ったのだが、今は狭い道を抜けると、そこに広いバイパスが出来ている。
通りには、レストランやカラオケボックスなどが、所狭しと並んでいる。
以前この日記で紹介したスーパー銭湯も、この並びにある。

バイパスの向こうは相変わらずの風景だ。
裏山からずっと、小高い山が続いている。
小学校の横に、小さな神社がある。
その神社の横に細い道があった。
そこから、その一連の山に入って行く。
かつて、その山の途中に池があった。
その奥には牧場があった。
それらが今どうなっているのかは知らない。
知っているのは、そこが今、学術研究都市になっている、ということだけである。

それにしても、高校時代に「ど田舎」と笑われたこの地が、今では区内有数の商業・住宅地になっている。
まあ、30年以上も経っているのだから、別にそうなっていてもおかしくないのだが、ぼくの中では、あまりにも早い進歩である。


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