スナックおのれ
毛。



 ぷつぷつとカタカタ。

学生時代、実家から拝借してきたレコード機がありました。重々しいハイテクDJ仕様ではなくて、相当昔の一般家庭用プラスチック製完全ローテクレコード機。下手すりゃ今なら、デアゴスティーニの組み立てキットとしてついてきそうな気もします。
このローテクレコード機、再生が終わると、カタカタ言いながら針をもとの位置に戻してくれるというすばらしい機能がついていました。しかし、時折、それが戻らず、ずっとレコードの最期をくるくる回ることがありました。そんな時の私は、いつの間にか眠ってしまい、スピーカーから聞こえるぷつぷつで目を覚ましたものです。
 当時の私は、このレコード機をかなりぞんざいに扱い、4年間針を変えないのはもちろん、DJごっこと称し、針を飛ばしてみたり、スクラッチしてみたり。そして、ついに引っ越しの際に捨ててしまいました。でも、今思うととっておきゃ良かった。あのぷつぷつとカタカタ、朝方、聞くといい感じだったのに。同じ音源でも、レコードってやっぱりちょっと違うよな、と思いながらも、今のレコード機は買う気になれず、やっぱあのローテクレコード機が良かったと思う所存。でも、結局、これって失ったから思うんでしょうね。女々しいことに。

2009年06月14日(日)
初日 最新 目次


My追加