スナックおのれ
毛。



 チョコレート・サンデー ジプシー・サンデー。

檸檬を絞る。
ギザギザの山型の搾取器の先端に、檸檬の芯をあて、力をかける。すると、それまで小さな袋に閉じ込められていた果汁が、圧力に耐え切れず、だんだんに放出されていく。けれど、これが力のある男子だと少し様子が違う。一瞬にして、袋が破裂。後、果汁が一気に流れ出す。だんだんと絞られたものよりも、濃いように思う。
生クリームを絞る。
ギリギリと圧力をかけられた袋から、溢れ出すクリームは、すでに圧力から開放されて、だらしない。けれど、これが職人さんの場合だと少し様子が違う。力から開放されるはずのクリームにまでも、圧力がかかり、ギュッと絞られている。
声を絞る。
絞れば、私の声はかれていくだけ。猫や鳥、つまり首が細くて殺せそうな動物の首をしめたような声はでることはない。
ジプシーサンデーを聴く。なるたけ暗い所で聴く。聞き惚れるような声ではないはずなんだけれど、惹き付けられる。惚れるよりも、惹き付けられるのほうが、ずっとものすごい引力で、人を捕らえるような気がする。少し怖い。けれど、覗きたい。聴いていたい。怖い。

小学生の頃の、チョコレートサンデーの楽しい思い出が吹き飛んでいく。

2004年03月10日(水)
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