スナックおのれ
毛。



 不感症の私。

まだ詩を読んで、泣いたことなんてなかった。不感症の私。今日、クーネルという雑誌を戯れに買い、冒頭、高村光太郎の詩「案内」で泣いてしまった。会社で、ちょっと目を通そうと思っただけなのに、ものの10行前後の文章に、涙が出る。それは、高村光太郎が伴侶:智恵子を亡くし、東京から岩手へ移った時の詩で、家のまわりのことが書いてある。美しい詩だなあ、と単純に思って、すらっと目を通していたら、最後、「智恵さん、気に入りましたか。好きですか。」で、虚をつかれて、何も考えずに涙がにじんだ。それはきっとまだまだ若い私の今後何年かの人生の中で、絶対にあることのように思えた。いや、だれしも大切な人を亡くした時、かならず語りかける時が来る。恋愛小説以上に、恋愛をかたり、感動小説よりも人の生を語る、そんな詩だと思った。


2004年01月21日(水)
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