スナックおのれ
毛。



 26歳→暴露→ココロの妖怪→若さの崩落

マイッタことに26歳を迎えてしまった。一昨日までは、25歳も26歳も大差ないと思っていたけれど、そうも言っていられない事に昨日気づいた。
会社にカッコメンがいる。カッコメンと言っても、誰しもカッコメンと言うかはわからない。だけれど、実にほがらかな笑顔をしやがる。もっと笑って下さい、と頼みたくなるような、やさしくてどことなくパワーのある笑顔だと思う。私は、それをみるたびにドキリとしたり、癒されてみたり。色恋関係なしに、奴と話をするのが楽しみでならない。
カッコメンは24歳。私よりふたつかひとつ年下。若干の年下。でも、この若干の垣根が随分と高いことも、私は彼より歳を幾分くっている分、知っている。
今日、いつものように仕事をしていると、ある女性社員がちょくちょくと彼と話しているのに気づいた。彼女は、誰とでも良く話す人ではあるけれど、なんだか少し様子が違う。なにが違うんだ、と聞かれると、なんともこたえられないけれど、たぶん、これは女の直感と言うものなのかもしれない。彼女は、彼を気に入っている。間違いない。
彼女は、かわいらしい。しぐさや声がとてもかわいらしい人で、話しやすいし、私も彼女が大好きだ。ただ、なんだか突然、胸がチクチクした。私には彼氏がいるし、今の状態が気に入っている。だのに、この胸のチクチクモヤモヤ。間違いなく、ココロの妖怪が姿をあらわしやがったと思った。
私のココロには妖怪が住んでいる。私は、独占欲が強くて、たとえば、仲の良い友人に対してもそんな気持ちを感じることがよくある。要は嫉妬深い。友達も恋人も友人も、私以外の人と過ごすのはあたりまえだし、私だってそうしている。わかっているけれど、たとえば親友から「友達とどこかにいった」などと聞くと、自分以外の人と遊ぶその人がとても妬ましくなる。理解しているように装うけれど、ココロの奥では、なぜ、私じゃないんだと不満が渦巻いてしまう。私は、この分からず屋のココロの妖怪が大嫌いだ。
たぶん、カッコメンと彼女に感じたのも要はそう言うことだ。ただ、今回の場合は、もっと嫌な考え方が吹き上がってしまった。「私は彼女よりも若いから、私のほうが気に入られるはず」。今、書いていてこの気持ちは擁護できない。なんじゃそりゃ、と否定する。けれど、私はその時、無意識にそう考えてしまった。
ただその後、はたと気づいた。私から若さをとってしまったら、何が残るんだろう。考えてみれば、若いという理由で大抵のことは許されてきた。けれど、26歳になって27歳になって、そして30まで。みるみる若さの影がなくなっていく。「まだ若いから」ではなくて、「もうそんな歳なのに」と言われるようになる。その時、私は何を盾にして、生きていくんだろう。25歳は入り口だった。まだ、重大なことに気づいていなかった。四半世紀を生きちゃった、という感慨と衝撃だけですごしてしまった。本当にやばいところに来てしまった。私の「若さ」という頑丈な盾が壊れかけている。それに変わる盾を、私は早く手に入れなければならない。




2003年06月29日(日)
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