スナックおのれ
毛。



 不思議な関係。

私と仕事場の上司は、丸一日、同じ職場にいながらにして、仕事関係以外、挨拶以外、何も話さない、ということがよくあります。仕事の会話といっても、複雑なものではないので、文字にしてみると4文字、単語数にすると2単語で済むこと。だから、1日トータルにして会話の文字数が100を超えないことが良くあると思います。私の働いている職場には、上司と私しかいないので、会話がまったくない仕事場に疲れもしました。上司は女の方ですが、仕事をバリバリとこなし、毎日のように遅くまで仕事をしています。忙しい人ですから、私から話し掛けるにしても、タイミングがいまいち、よくわからない。一方、上司は、ほとんど話し掛けてくることはありません。7畳くらいの部屋には、お互いが仕事をこなす音とクーラーの音、仕事に使用する機械がまわる音のみ。そんな中、私の感覚に変化が出始めました。私は、この無言の状況に慣れ親しみだしたのです。一見、同じ部屋にいながらにしてほとんど会話のない二人は異様に見えますが、結局は同じ仕事の延長線上でふたりとも働いているのです。会話がなくてもつながっている感覚。それは、無言の中で気づいたことでした。「共生」ではなく「共存」という職場スタイル。こんなのもあるんだなあ、という発見でした。

2003年05月07日(水)
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