スナックおのれ
毛。



 自分像。

この間、気付いたんですが、東京に来て空を見る事が少なくなりました。前方を見ているか、下を向いているか、上を見ていても看板を読んでいるか、どれかです。上を見たって、東京はなんの面白みもない。田舎のように、素晴らしい夕焼けも次々と変わる雲もビルの狭間からでは、さっぱりわからない。ならば、東京を去ってしまえ、そう思います。こんな街も人間も汚いところにいて、なんのメリットがあるのか、いつも感じます。けれど、今の私にとって東京は、まだ離れられない場所。東京を好ましく思っていない反面、未練があるんです。今、死んだら、間違いなく私は東京の自縛霊になるに違いありません。しかも、死んだことにも気付かずに、同じ部屋で朝、目を醒まして、身支度を整え、会社に向かう。そんな嘘の生活をすることでしょう。たまに、今の生活がそんな自縛霊ライフと何のかわりがあるのか、と思う事があります。本当は逃げたいのか?そう思います。しかし、私は絶対に逃げられないでしょう。逃げられないように自分で自分を縛り上げているんです。人は、崖ッぷちに立ったとき、一番、その人の本質をさらすような気がします。ヤーッっと思いきり飛べてしまうか、そのまま呆然自失してしまうか。恐らく私は後者で、飛んで行く人をじっと見ているのだと思います。いつか飛べると思いながら、その場に立ちすくむ人。そんな格好の悪い自分が、一番、自分の本質に近いのでないかと思っているのです。

2002年08月27日(火)
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