■ 日々の歩み。 ■
徒然の考察・煩悩・その他いろいろ発信中。

2006年02月16日(木) 生存確認。



作者近影。長らくご無沙汰していましたが生きています。

昨年はすったもんだありまして。
我が人生における最悪の年 といっても
過言ではないような、本当に最低な1年でしたが、
年明けを機に、三十路の大台を前にこれからのことを考えて
今までの人生をチャラにするくらいの勢いで、心機一転やり直してみようと
手始めに転職してみました。

相変わらず、妙齢の男子がいない職場ですが(社長以外、女子しかいない…)
そりゃあもう、嘘みたいにガッツガツ仕事の出来るオネエサマ方が
少数精鋭でバリバリ案件を片付けていく社労士関係の会社で
今月から見習い小僧をしております。

まったくもって要領も物覚えも悪く、その上気も利かないし
皆さんのお役に立てないのが自分でも歯痒くて仕方ないんですが。
無能を理由に試用期間で強制終了でも、今の状況じゃ文句も御座いません…。

なんにも考えずにのんべんだらりと普通のOLやっていても
結婚も出来ないような三十路女の行く末なんてお先真っ暗なので
もう少し専門的な知識を必要とする仕事を身につけたいと
大きな野望だけを胸に、日々頑張っております。


飛び出す勇気とタイミングさえあれば
生まれ変わるなんて、まだまだ簡単なことなんだね。

自分の可能性に賭けた選択を後悔しないようにしたいものです。






2005年08月24日(水) 優しさライセンス。

今いちばん欲しいのは、なにも考えなくていい、長い休息。
そうしたら、もっと優しくなれるよ。もういっぱいいっぱい。

上品で知的で優雅な物腰と喋りを体得しないと、職がなくなりそうです。
そんなもの要らない会社だったから選んだはずが、いつのまにか
全然違う会社になってるんだものなあ。時の流れは残酷だ。


ま、そんな泣き言はどうでもいいんですけどね。


言われた通りの仕事をこなせて、我が強くなく優しく柔らかな女らしさってものが
職業婦人には最大の武器になるっていうのを今更ながらに実感。
トンがっててもいいことないよ。本当に。

独りで生きていこうと思うなら、余計に女らしさを磨かないとね。


三十路間際になって、女としての自己鍛錬も我慢も足りない幼稚な私には
なかなか厳しい現実だよなあ。
そういう怠惰を飼ってるから、男も出来ないんだろうな。

もうなにもかもが面倒くさい。




2005年08月11日(木) 君はピアノ。僕はピアニスト。

真夏日が続いておりますね。
不摂生からくる虚弱体質な私など、もうフラフラです。


【最近の行動メモ】

沖縄産アップルマンゴーを貪るように食う、2005年夏。
 皆さんお馴染みの黄色いラグビーボール型のではなくて、もっと丸くて皮が赤くて
 とっても甘くて美味しいの。一度食べたらもうやみつき。
 最近は都内のスーパーでも売ってます。
 
 白桃・梨と並んで、私の中の 三大美味しい果物 にランキング。


・お台場の科学未来館で開催中、「恋愛物語展-どうして1人ではいられないの?-」
 妹と、毎度御馴染みMサンと3人で。ものっそい内容にそぐわない3人連れ。

 ショウジョウバエのオスに、「サトリ」と呼ばれる遺伝子異常があるらしい。
 この「サトリ」君たちは、本来メスに行うべき求愛行動をなぜか同じオスにしか行わない。

 「私の好きな人も、きっとサトリなんだ!」

 至極納得、という顔で深く頷く妹に、なんと声を掛けてあげればいいものやら。

 企画冊子でみかけた、今月の名言。

「男にとって女は絵画、女にとって男は音楽。」

 部屋の中に掛けられた絵画。絵画の前に立つ時には、その絵しか眼に入らないけれど、
 視界に絵画がなくなれば、絵画の印象は薄まってしまう。
 だから同じ部屋の中には、いくつもの絵を同時に飾ることだって出来る。

 部屋の中に流れる音楽。ボリュームを調節すれば、意識を向ける割合は変化するけれど
 電源をオフにしない限り、音楽はなにをしていてもずっと部屋に流れ続ける。
 同じ部屋で同時にいくつもの音楽はかけることが出来ない。

 姉妹で膝を打つ勢いで猛烈に納得。

 噂のプラネタリウムも見てきました。
 …最後までオチずにプラネタリウムを観賞できる大人になりたいです。(10秒くらい意識飛んだ)

 
 今年のお盆は実家へ帰省。この時期に帰るのは久しぶりだなあ。



2005年07月31日(日) 文月総括。

日々の生活に追われていたら、あっという間に7月も終わり。
こういう眼前の瑣末な日常の消費の連続で、人生って終わっちゃうんだろうなあ。

今月の報告。


・家族で伊豆長岡の温泉へ旅行。
 限りなく家族それぞれの自己満足に近いですが、親孝行&家族サービスが
 ここ最近のまめ家の一大ブームです。
 
 なにかが想い出になるのではなく、想い出をつくるためになにかをするのって
 物凄く虚無感と寂寥感が伴う行為だと思うけど、今の私たちに出来ることは
 そういう一見無意味にみえることだけなんだなあ。
 なにもせずに嘆くよりは、大した意味など生まれなくても兎に角行動に移した方が
 後悔も悩みも少ないと思うし。自分の無力さに打ちひしがれる瞬間。

 温泉宿は、物凄く素敵な場所でした。半端じゃない寂れっぷりで、お客さんほとんどいませんでしたが
 それがまた静謐と落ち着きに繋がっていて、なにもなくてものんびりしたい人にはいいのではないかと。

 全室離れで、趣きあるところですよ。ちょっとお値段張るけど。
 「古奈別荘」http://konabesso.com/


・今月もKさんにお誘いいただいて、日比谷で極彩色の夢を観て参りました。
 観劇中に地震に見舞われまして。こんなところで死んだら、これ以上の親不孝は
 ないんじゃないかと、そんな考えが頭を過ぎったり。
 懲りもせずに、来月再来月と本拠地まで遠征予定です。(学習機能なし)


・着物への憧れを手近なところで叶えようと、浴衣を購入。
 渋いといえば聞こえはいいけど、極薄い鳥の子色に、薄墨色で向日葵が咲く地味なもの。
 帯は結ぶのが面倒だから、ワンタッチ帯で(笑)その時点で着物好きとか言えない立場ですが。
 梔子色で粗い格子模様の帯。
 
 問題は、着付けが下手なことと、着ていく場所がないこと。家で着るか。


・ヴィスコンティの「山猫(イタリア語 完全復元版)」を観る。
http://www.crest-inter.co.jp/yamaneko/index2.html

 これほど豪華で空虚なデカダンは見たことがない。凄い。
 サリーナ侯爵の抱える虚無や絶望、新しい時代を象徴する人々の
 傍若無人で愚かでありながら、荒々しいまでの勢いに溢れた生命力の対比が
 落陽、斜陽と表現するにぴったりな、ひとつの偉大な時代を象徴する存在の
 終焉(というか、衰退?)を浮き彫りにしている。
 
 …まあ、難しいことは判らないが、ラストの大舞踏会は凄いよ。
 そして、アラン・ドロンのチョビ髭にちょっと笑いを誘われた。
 やっぱり男前なんだけど、後半、狡猾というか、ちょっと貧相な顔になるよね。
 あれが役作りだったら凄い。そしてオヤジが文句なしに格好いい。


・友人の恋愛話を拝聴。
 この歳になっても、あんなにドラマチック恋愛体質なのは純粋に凄いと思う。
 あのエネルギーはどこから湧いてくるのか。私じゃ息切れするな。
 色々無責任にああだこうだ言ったけど、最終的には他人がどうこう出来る問題じゃないから、
 彼女が幸せになってくれるといいなあと思います。

 女同士の相談事って、合理的な解決方法では決してないと思いますが
 自分の考えを言葉として発することで変わるなにかは確実にある。
 効率的ではないけれど、無意味なことじゃないよ。
 すべてのことに、客観的な観点から、最速最短最良の解決策を講じるばかりが正しいとは思わない。
 
 ま、女の人って、相談する時には自分の中でキチンと正しいと思う意見も、
 納得できない葛藤も既に用意してあるんで、外野からの冷静な意見での説得ほど、
 「なにを今更そんなわかりきったことを偉そうに」って一蹴されることの方が多いよね。
 欲しいのは共感。男の人には向かない役割だよねえ。
 
 
 とにもかくにも、人が生きていくのは難しいなあ。



2005年07月27日(水) 只今、交信中。





西新宿にて、まめ近影。…左の方じゃないですよ?

意外に思われることが多いんですが、子供とか犬とか、獣との意思疎通が結構得意です。

でもムツゴロウ氏並みに奇怪な音を発しながら動物と交信するので
傍で見ている人間からは、ちょっとアブナイ人にみえるそうです。
コブタちゃんとも、プヒプヒ言いながら挨拶してきましたが。

動物はいい。ヤツらは小狡くてシビアに力関係を量った上で接してきますが
変な建前がない分、いっそ清々しくて私のような単細胞はシンパシーを感じる。

ただ、猫だけは駄目だ。なに考えてるかお互いによく判らないせいで
妙に緊迫した空気が流れてしまいます。



2005年07月15日(金) 愛逢月。

ちょっとお久しぶりな日記更新。相変わらず慌しい毎日です。

さて唐突ですが、不定期ながらも手紙を親しい人へ送るのが
数少ない長続きしている私の趣味です。

先日も可愛い金魚柄のハガキをみつけたので、梅雨入りあたりから
不義理を重ねている友人達へ暑中見舞を書いてみたり。

そんな中、よくお手紙のやりとりをする友人から手紙が届きまして。
床しい香り袋を忍ばせた、涼しげな紫陽花柄の和風便箋に
「7月は愛逢月(めであいつき)というそうです。」と書いてありました。

ここのところ、どうにもこうにも殺伐としがちな日常に追われていましたが
ふと足を休めて一呼吸おくような、心に小さな潤いを齎す素敵な手紙だなあと思った。

情報量でいうならば、メールの方が、ヘタな絵葉書より一度に大量に伝えられるし、
書き損じてもすぐに訂正できるし、すぐに届くという点でも楽チンです。

でも、きっと送り先の人物を思い浮かべて選んだであろう絵葉書や、
旅先や美術展で入手したのポストカード、変わったデザインの切手
ペンの色や種類に、その人の趣味や人柄を垣間見た気分になったり、
手書きの文字の癖、さりげなく添えられた季節を感じさせる言葉に
書き手の個性を推し量るとき、ただ単に用件を伝える以上の味や温もりが
手紙を通して届けられているように感じます。


手紙を頻繁に書くようになると、絵葉書やレターセットを買う機会も増えるし
旅先からちょっとしたお土産感覚で、地域限定の消印や切手を使うことも出来て
乙女チックな気分に浸れることうけあい。是非お試しあれ。



2005年06月27日(月) よんだぱんだのビデオがちょっとみたい。

梅雨明けもまだのはずなのに、雨なんかちっとも降りゃしねえ。
今年の夏は水不足が深刻そうだなあ。はあ。

ここのところ毎週末新幹線乗ってるんで、読書の時間が増えました。
最近読んで面白かった本2冊。


・「猫と庄造と二人の女」 

 谷崎潤一郎の猫キ●ガイ小話。動物好きならなんとなく身につまされる部分がある。
 人間相手にはどこまでも自分勝手なくせに、ものの見事に猫に翻弄される人々と
 自分を本当に必要として面倒見てくれる人を冷静に見極める
 猫のドライな感じがなんともコミカルかつ虚しくて素敵。


・「澁澤龍彦 初期小説集」

 絶版になった文庫に収録されていて探していた「エピクロスの肋骨」が入ってた。

 「インテリに憧れる若い女子が大好きな、格好カワイイ中年男」という名の駄目男
 自覚アリアリ自意識炸裂な、厭世的シュールロマンティック世界。

 寺山といい澁澤といい、乙女系オヤジのロマンティシズム は、私の大好物です。
 現実世界じゃ霞だけを食っては生きていけないが、自分の日常と関係ない
 文学の世界でそれを展開される分には、被害はないからね。
 
 現実で四六時中ご都合主義の白昼夢見てる逃避型男子は、もうお腹一杯まっぴら御免です。


映画も観たいけど、映画館に行くのが面倒くさい。
それ以前に、観るべき映画をチョイスするのが面倒くさい。映画観る資格ないね。
デートの予定がない働く三十路直前女なんて、こんなもんなのか…。



最近作ってみて、なかなか美味しかった超簡単料理。

・冬瓜と海老のコンソメあんかけ

 皮を剥いて面取りした冬瓜と、生の小海老(ボイル済の場合は、軽く包丁で叩いて柔らかくする)を
 コンソメで中〜弱火でじっくり煮る。(落し蓋する)
 最後に水溶き片栗粉を溶きいれて、コンソメにとろみをつけたら完成。
 白髪葱を上に散らすと、見栄えもよろしいかと。


・キノコと豚肉とほうれん草のボリュームサラダ

 サラダ用ほうれん草をお皿に敷き詰める。
 豚肉に軽く片栗粉をまぶして、オリーブオイルで炒める。
 えのき・シメジ・エリンギを食べやすい大きさに切って、先に炒めた豚肉と併せて炒める。
 オリーブオイルにちょっとだけバターを加えて炒めると美味しい。
 (バターだけだと、味がくどいかなあ。)
 塩胡椒で味を整え、最後にレモン汁を少々和えるとサッパリします。
 ほうれん草の上に炒めたキノコと豚肉をのせて、温泉卵をトッピング。

…こんなこと書くと料理得意そうに聞こえますが、基本的に不器用なので
犬の餌みたいな料理しか作れません。
そんな私でも出来る簡単料理なので、是非お試しあれ。



2005年06月24日(金) 生き恥を晒しても、胸を張って大声で愛の歌を歌うよ。

…人生最大の恥辱プレイの証拠写真は、静岡マダムの手に渡ったようですね。

ま、姫のプレ披露宴ごっこみたいなものですから!

考えてみたら平安時代モノコスプレは、中2の学園祭の部活の寸劇で、
頬っぺたに赤いバカボン風渦巻き付かぐや姫 演った時以来でした。
どっちも証拠写真残ってるが、どっちも碌なモンじゃねえな。

私の人生は、色モノ引き立て役の道化師(と書いてピエロと読む)路線ですからね。


時に、ウチのメリアンが皮膚病になりまして、頭と脇腹、その他数箇所に見事な ハゲ をこさえてます。
大したことないので、お医者さんで処方された薬を塗ってやってますが、
下地が透けて見えるデコのパゲは、なんだかちょっと哀れなルックスになってますよ。

はやく治るといいねえ。


夏至も過ぎましたが、今年の夏は洒落じゃなく、人生変えちゃう夏かもね 状態です。

最近、足りない脳細胞を可哀想なくらいフル稼働させているせいか、なにもしてないのに
1ヶ月で1.5キロほどウェイトダウンしました。過去最短記録の落ち方だな。
妄想癖のある私には、食事制限よりも運動よりも、自分の限界を超えた考え事が
いちばん痩せるのに効果があるらしい。

ま、一気に老けた感じで、肌荒れが人生最悪なほど酷くて、ちっともいい状態じゃないですが。
せっかく痩せるなら、綺麗に痩せたいよなあ。



2005年06月19日(日) 乾いた唇。

うちのメリアン(フレンチブル♀只今野菜中心食生活でダイエット中)は、下顎が上顎より出ている
所謂「受け口」というヤツです。(そしてその上顎よりも鼻は更に低い脅威の横顔構造。でも親近感)
フレンチブルは口が大きく、頬肉がタップンタップン(極上の手触り)の割に、唇自体は薄いので、
歯茎が乾きやすいらしく、いっつも歯か乾いた舌の先っちょが、チロッと口から覗いてます。

…こう文章にすると、なんだか愛くるしい姿な気がしますが、
一番出っ張っている下唇が捲れ上がって歯をむき出して、充血した上目遣いでこっちを見上げる
その姿は、可愛いというより怨念恨み節って感じで、暗い中みるとちょっと恐いです。食われそう。


さてさて、今週も実家に帰省中で俄か主婦してます。本日のお仕事。
6時起床、7時朝食、後片付けと洗濯、8時半から1時間犬の散歩、帰ったらアイロン掛け
昼まで病院へお見舞い、1時半帰宅で昼食、お風呂掃除、居間で犬のブラッシング(大乱闘含む)、
舞い散った犬毛の掃除(大妨害含む)、2時間の昼寝、起きたらお父さんの晩酌準備、
夕飯の作成、後片付け、明日の朝ご飯の下拵え。

主婦って真面目にやると、昼間は本当に自分の時間ってないんだなあ。(朝早いから夜更かしも出来ん)
独りで住んでいる時の自分が納得できる最低限度の家事と、家族で一緒に生活している人が
気持ち良く生活出来るレベルの家事を一人でこなすって、消費エネルギーも手間数も全然違う。

まあ、今は勝手の分からない場所でやり慣れていないってせいもあるから、慣れれば
もう少し余裕が出来るんだろうけど、昼寝がないと正直シンドイな。
なにしろ相手が、専業主婦歴28年の大ベテランに、それこそ箸の上げ下ろしから
全てやって貰ってたようなお殿様だからな(笑)
かなり要求レベルに関しては譲歩してもらってるけど、なかなか期待通りにはいかないっすね。

それでも、自分のものじゃないシャツにアイロン掛けたり、誰かのために栄養バランス考えて
おかずをもう一品追加して作ったりするのは、
ちょっとした妄想プレイみたいで結構楽しいです。(女として最低な発言だな)

こういう作業を何十年と毎日休みなしで続けていくのは、自分を納得させるだけの理由が見つからないと
本当に忍耐を要することだとつくづく思った。
どんなに相手のためを思って頑張っても、それが日常の当たり前になったら
なかなか努力は認めてもらえなくなるだろうしね。

目に見える結果や対外的な評価に繋がる仕事のほうが、分かりやすく頑張れる。
「養ってもらっていて、愛する家族のためなんだから当然」って言う立場もよく分かるが、
当たり前になってしまったことを、レベルを維持してやってもらうことに
気づいて感謝する気持ちをもっと持たなくちゃいけないと思ったよ。



2005年06月06日(月) 笑う犬の生活。

ここのところ頻繁に実家へ帰っているのですが、我が家の生ける黒い宝石改め、
黒い弾丸、または、まめ家の黒い悪魔 フレンチブルの メリアン のお陰で
(メリーさん→メリーやん→メリヤン→メリアン 「リ」にアクセント、アルフィー活用形)
家族全員、上へ下への大騒ぎの毎日です。


それにしても、犬がいるだけで人間の生活というのは激変しますなあ。
(我が家は特に、お犬様中心に世界が動きます。)

家族の会話の7割がメリアンの話題で、メリアン効果でご近所づきあいも円滑に進む。
メリアンのダイエット食のために、台所に立ったことなどない父が包丁片手にリンゴやキャベツを刻み、
メリアンのもっとも憎む、大っ嫌いな掃除機をゴーゴーいわせ、ギャンギャン物凄い形相で吠え立てる
メリアンを追っかけまわして、実家では三年寝太郎状態の妹が居間の掃除をする。

私も実家では朝7時には起きて、メリアンと朝の散歩に出かけておりますよ。
手に歯形とミミズ腫れを作りながらブラッシングをし、綿棒片手に顔の皺と耳のお手入れをする。

張り替えたばかりの障子は突き破られ、スリッパと靴はボロボロにされ、
雑巾とファブリーズ片手に怒号を上げながら、粗相の始末に追いかけっこを繰り返し、
ソファで転寝すれば頭と腹によじ登られ、洗濯物の靴下やパンツは庭まで引っ張り出され、
せっかく植えた花は食べられる。

朝少しでも起きる時間が遅ければ、寂しさに堪え切れずにゴミ袋の中身を居間にぶちまけられ、
ちょっとテレビに気を取られた隙に、ローテーブルの上のカップをひっくり返され、
お父さん秘蔵のハーゲンダッツは強奪される。

叩かれても怒鳴られても、メリアンはへこたれない。
ただ単に、アホなだけかもしれない。
上目遣いにこっちを窺いながら、今日も朝から晩まで悪戯を繰り返す。


それでも今、我が家のみんなが一緒に大きな声で笑い合ったり出来るのは、
メリアンの存在によるところが大きいと思う。
人間の心中など知らぬげに、ちょっと小首を傾げて膝の上に飛び乗る人懐こいメリアンに
私たち家族は随分と癒され、励まされているように感じる。

名前に違わず、彼女は我が家に小さな幸せを齎してくれたようです。


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