ID:99799
斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
[1220763hit]

■ソフトバンク株で儲かってしまっている僕の矛盾
ソフトバンク株が異常な高騰を続けている。
僕は、ソフトバンク株のホルダーなので、結構な利益が出ていて儲かっている。
ありがたいことではあるのだけれど、この相場、本当に怖い。

理論的には説明のつかない株価だから。

ソフトバンク株が高騰して、かつホルダーとして儲かっているんだから、いいじゃん、という考え方もあるのだろうけれど、説明のつかない高騰なので、いつ暴落するかわからない恐怖がついてまわる。
安値で仕込んでいるので、少々下げても、十分な利幅は取れるのだけれど、怖い。
株は、ゆっくりと上昇するけれど、下落するときの速度は速い。
下落するときは、あっという間に下落する。
買い時よりも売り時のほうがずっと難しい。

僕は、毎日、今日は暴落かな、と思う。
でもそれに反して、ソフトバンク株は急騰を続けている。
そして、仮に暴落したとしても、それが継続的に下落する兆候なのか、単なる株価の調整なのかの判断は難しい。

株価は正しい企業価値だけで形成されるわけではない。
正しい企業価値をもとに判断すれば、ソフトバンクの株価上昇は異常である、と言える。
僕には、今後、どのようにソフトバンク株が推移するか、全く予想がつかない。
基本的に赤字会社なので、PERなどの一般的な株式評価指標が使えない。
企業価値は、将来の収益を何年か取って、それを現在価値に割り戻して求める。
が、ソフトバンクは基本的には赤字会社だし、将来の収益見通しも予想は難しい。
将来の収益を何年分取るか、というのは、すなわちPERである。
PER倍率が高い、ということは、将来に渡って、高収益を期待されている成長企業、ということである。

ソフトバンクの株価は、全く評価のしようがない。
赤字だとPERが見えない。
たぶん、将来の収益性はこんなもんだろう、というほとんど勘にもとづいた乱暴な方法で企業価値を求めなくてはならない。
ソフトバンク自体は、将来の明確な業績見通しを明らかにしていないので、インプットするデータはあくまでも僕の個人的な見通しである。
ソフトバンクの正しい企業価値を算定、デューデリできる人間など、世界中探してもひとりもいないだろう。

ソフトバンクの株価を売り上げや利益、資産などから推察することは、全く不可能。
チャートや手口、誰が買っているか、信用取り組み状況などから株価を判断するしか手がない。
そして、チャート的には、明らかに株価の上昇速度が速すぎる(機関投資家ではなく、個人投資家、しかもデイトレが多いので、手口もわかりづらい。信用取り組み状況はそれほど悪くない。窓も空いてはいない)。

僕は、毎日、毎日、今日こそは暴落するだろう、と思っていると、予想に反して株価が上昇している。
でもって、僕はホルダーなので、ここのところ毎日、自分の資産が恐ろしい勢いで増えていっている。
僕は、全く予想ができず、いや、それどころか今日こそは、下がるだろう、そろそろ逃げなきゃ、と思いつつ、ソフトバンクの株価は下落の気配を見せず、予想に反して資産が増える。
気持ち悪い。
儲かっているんだけど、儲かっている理由が説明できない。

ソフトバンクの適正株価が読みにくいのは、投資会社から事業会社への転換の渦中にあるから、という側面もある。
事業が複雑怪奇なコングロマリットなので、事業の評価が難しい。
一般的にコングロマリットは、コングロマリットディスカウントが入るので、本来は過小評価される傾向があるのだけれど、なぜだかソフトバンクに限っては高評価。

加えて、携帯電話事業は今までのソフトバンクの事業モデルとは異なるアセットビジネス。
最初に大きな投資をして、長期にわたって、償却するモデルだ。
今までの投資会社的なスタンスとは全く異なる。
株価指標でいえば、PBRが重視されるモデルへの転換期。
P/LやC/FよりもB/S。

携帯電話事業への参入は、電波という有限の資源をもとにした免許を取得しての認可事業であり、死にいくしかない固定通信と比べると、ずっと収益性が高いし、ある種の独占事業である。

[5]続きを読む

11月26日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る