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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■妄想の源泉は、グリッド、メッシュ、オートノミック
僕は最近、ちょこちょことデムパ系の妄想文章を書いている。
この妄想の源泉は「グリッド・コンピューティング」、「メッシュ・ネットワーク」、「オートノミック・コンピューティング」である。
この3つのテクノロジーをベースにして妄想すると、どんどんと脳が暴走していくのである。

僕は、この3つのテクノロジーがこれからの10年間に大きなインパクトを与えていく、と思っている。
「グリッド・コンピューティング」、「メッシュ・ネットワーク」、「オートノミック・コンピューティング」の3つのテクノロジーが組み合わさった形で、世界を変えるイネーブラーになるのではないか、と。

それぞれを簡単に説明しておく。
僕の勝手な解釈なのでご注意を。

「グリッド・コンピューティング」
ネットワーク経由で複数のコンピュータを連携させ、仮想巨大コンピューティング環境を構築、必要に応じてコンピューティングパワーを必要なだけ利用するシステム。

「メッシュ・ネットワーク」
P2Pネットワークの先にあるネットワーク構造。P2Pは1対1だが、これが発展すると、1対nになり、その次はn対nのネットワークとなり、メッシュ状のネットワーク構造になる。

「オートノミック・コンピューティング」
自律制御のコンピューティング環境。上記のグリッド、メッシュの構成や制御を自律的に行う。


まとめると「世の中に存在するコンピュータ、正確にはコンピュータ的なものが、自律的に連携をはじめて、仮想的な超巨大コンピュータ的なる存在になる」、ということである。

先週、PS3に装備されると言われている「Cell」の発表があった。
「Cell」の目指している環境が、この妄想ワールドなのである。
「Cell」そのものは、マルチコアのCPU。
PowerPCのコアがメインとして存在していて、8個のサブCPUがサブタスクを処理する。
1人のリーダーの下に8人の手下がいて、忙しくなったら作業を割り振る。
これが、1チップの中で実現されている。

先週の「Cell」の発表はここまでだったのだけれど、以前のソニーの久多良木氏のぶちあげた「Cell」構想を信じるとするならば、「Cell」は「グリッド・コンピューティング」、「メッシュ・ネットワーク」、「オートノミック・コンピューティング」のベースとなる。

「Cell」は、大型機用、パソコン用、家電製品用など、様々なバージョンが登場すると思われる。
「Cell」は、単体としてもマルチコアなのだけれど、これらの様々なバージョンの「Cell」が連携することにより、本来の「Cell」の構想に行き着く。
「Cellチップ」は「Cell環境」のフラクタルでいうところの自己相似形のなかの一部であるかのように見える。

世界中の全てのチップがCellになることは考えられないが、Cellチップではない従来のシステムも連携をはじめることは間違いない。
これから10年くらいかけて、「世の中に存在するコンピュータ、正確にはコンピュータ的なものが、自律的に連携をはじめて、仮想的な超巨大コンピュータ的なる存在になる」のである。
仮想的な超巨大コンピュータは、ひとつの存在、となるわけではない。
ユーザーは、仮想的な超巨大コンピュータのコンピューティングパワーを必要に応じて、利用することになる。
自律的なメッシュで構成された「部分」としてのコンピューティング環境が、連携する。
そこは部分であり、全体でもある。
境界は曖昧だ。

この超巨大仮想コンピュータを構成するためのテクノロジー要素が「グリッド・コンピューティング」、「メッシュ・ネットワーク」、「オートノミック・コンピューティング」。
このコンピュータに接続されるのは、コンピュータだけではない。
僕が「正確にはコンピュータ的なるもの」は、などと面倒くさい表現をしているのは、そこに接続されるものは、センサーであったり、カメラであったり、ロボットであったりするからだ。
n対nの「n」は、人やコンピュータだけではない。

これらは、バーチャル世界が、リアルの世界へと拡大し、と連携することをも意味する。

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02月16日(水)
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