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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■世界を変えるのは意外と簡単なのかも知れない
世界を変えるのは意外と簡単なのかも知れない、と思う。

僕は昨年、政府関係の仕事を中心にしていた。
通常、戦略コンサルタントは自分の関わっているプロジェクト、クライアントを明らかにしてはならない。
だけど、僕の場合、政府の研究会での議事録や僕の作った報告書が某省のサイトからダウンロードでき、誰でも閲覧可能になっているので、既に公知情報である。
でも、プロジェクトやクライアントを直接明らかにするのは、少し憚られる気もするので、一応、某省という事にしておく。

最初は、某省からユビキタス関連のネタについての調査依頼だった。
政策立案のための調査、分析、そして、提言を行うというもの。
僕にとっては、クライアントが政府、というのは初めてだったけれど、仕事の内容そのものは通常のプロジェクトと何ら変わらなかった。
対象が企業ではなく、国単位であり、コンペティターは海外の国家、というだけで、調査単位が異なるだけで作業内容そのものは大きく変わらなかった。
いつもと変わりなく、調査、分析を行い、提言を書いて分厚いレポートを作成した。

プロジェクトの途中で、某省からこのテーマについて研究会を作るつもりなので協力して欲しい、という依頼があった。
研究会に参加しても、お金にはならない。
コンサルティングファームは業界団体にも属していない。
完全な受注産業なので、政策立案にかかわってもほとんどメリットはない。
ボランティア活動。
でも、政府の研究会に参加することにより、研究会参画企業とのパイプができる。
政府の研究会の参加者は大企業の役員、大学教授。
いわゆる識者の方々が数十名参加している。
研究会に参加することで仕事の負担がそれほど増える、とも考えられなかったので、研究会に参加することにした。
僕には政府の研究会がどのようなものなのか、どのようにして政策が立案されていくのか、についてのプロセスに対する好奇心もあった。

研究会の第一回からいきなりプレゼンテーションを依頼された。
G7をやっている会議場でのプレゼンテーションである。
僕は、ただのマネージャーなので、パートナーがプレゼンテーションを行うことになった。
プレゼンテーション資料は僕が作り、パートナーを会議室に缶詰にし、プレゼン内容のレクチャーを行った。
一回めのプレゼンテーションとディスカッションは無事に終わった。

某省は、続けて第二回でもプレゼンテーションを行って欲しい、という。
僕らは、成り行き上、続けてプレゼンテーションを行った。
すると、第三回めでもプレゼンテーションを行って欲しい、という。

気がつくと、僕たちは研究会で中心人物となり、僕たちが研究会の報告書を作る役割を担ってしまっていた。
数十人の参加者がいて、研究会では2-3人程度にしかプレゼンテーションの機会が与えられないのに、僕たちは毎回、プレゼンテーションをしている。
プレゼンテーションを行っている都合上、ディスカッションでも中心となる。
結果的に、僕たちのプレゼンテーション、報告書が採択され、財務省への予算請求を行うこととなってしまった。

そうこうしていると、次は、研究会の実行部隊として政府主導の任意団体が設立されることになった。
そこで、僕は全体の取りまとめを行うサブワーキンググループのリーダーに任命されてしまった。
実行部隊なので、財務省への予算請求とともに、法制度の立案までも行う。
僕たちの報告を実行するためには予算だけではなく、法制度の変更も必要だった。

そして、1年間活動をした結果、予算が割り当てられ、法制度の変更も行うことになった。
法制度の変更は、省庁からの立案として、法制度の変更案が公にされ、パブリックコメント募集、という形で国民の意見を募集する。
そして、そのパブリックコメントをもとに、調整を行い、実際に法制度が変更されたり、新たな法律が作られる。
現在は、既に法制度の変更はほぼ確実となっている。

僕は、野望も何もなかったのだけれど、気がつくと、法制度の変更まで踏み入ってしまっていた。

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10月07日(木)
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