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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■アイ、ロボット 〜プロダクトプレースメントとアウディRSQ〜
アイ、ロボットを見てきた。
アイ、ロボットにはアウディーがイヤというほど出てくる。
僕はアウディTTクワトロのオーナーなので、どうしても気になる。

アイ、ロボットの設定は2035年。
映画に登場する「アウディRSQ」も2035年モデルである。


■Audi RSQ


■Audi TT DTM仕様



外見ははどう見ても2035年型TT。
タイヤ部分を通常のものにすれば、TTの次々期モデル、と言っても良いくらい。
アウディは新型A6からフロントマスクをこのアウディRSQと同じ「大口」にする、と宣言しているので、次期TTはもっとRSQと似たデザインになるだろう。
仮にロゴがなくともアウディだとわかるアウディのデザインアイデンティティー。

このアウディRSQはアウディそのものがデザインしている。
映画人がデザインしたコンセプトモデルではなく、自動車メーカーであるアウディーが製作した2035年型のコンセプトモデル。

メーカーが製作したコンセプトモデルが映画のなかでカーチェイスをする、という例ははじめてではないか?
アウディーのメーカーとしてのアイデンティティーや将来コンセプトを表すブランドマーケティングの一環だろう。

このような映画やドラマのなかで製品を登場させ、広告、マーケティング活動を行うことを「プロダクトプレースメント」という。
HDDレコーダーの普及により、CM飛ばしが深刻化しているなか、「プロダクトプレースメント」が注目を浴びている。
広告はCMではなく、映画やドラマの劇中に挿入するしかない時代がやってきている。

プロダクトプレースメントそのものは昔からある。
「007」なんかは良い例。
現在の007はBMWとオメガ。
ショーンコネリー時代の007は、アストンマーチンとロレックス。
僕は、ショーンコネリー世代なので、映画で007が着けていたのと同じ型のロレックスのサブマリーナを持っている。

そして、マトリックス。
マトリックス・リローデットはドゥカティ。
僕はマトリックスを見て、映画に登場するバイクの「実物大完全レプリカ(色、形だけではなく細部のパーツ類まで映画と同じ)」であるDucati 998 Matrixを買った。

ただ、プロダクトプレースメントはまだ広告費としての料金設定や契約等がまだ未整備なので、「ビジネスとして」本格化していくのはこれからだろう。
現状ではほとんどの場合、メーカーが協賛として製品を無料で提供しているレベルであろう。
テレビドラマの場合は、企業はスポンサーとして参画し、CM契約のおまけとして劇中に製品が登場させる契約になることが多いようだ。
だが、従来のCMの広告価値がどんどん下がっていく今、広告業界にとって、プロダクトプレースメントを本格的なビジネスとして捉え、料金や契約の標準化を行うことは急務である。

そして、アウディRSQ。
タイヤ部分に特徴が見られるが見事にアウディデザイン。
四つ輪のロゴがなくても一目でアウディとわかる。
アウディのプロダクトアイデンティティーは2035年になっても変わらない、という事を主張している。
現行TTに新型A6のフロントマスクを合体させたようなデザイン。
タイヤ部分は普通のタイヤではない。
映画を見た際にはエアカーだと思っていたが違うようだ。
球形のタイヤが入っており、真横にも進める構造になっているらしい。
トラックボールのような構造か?

ちなみに、僕が以前勤めていた某社の2010年の近未来生活のコンセプトビデオに登場するクルマは僕が以前保有していたVolvoのエステートである。
社員である僕の個人保有車なのでレンタル料もいらない。
僕は、撮影用にクルマをぴかぴかに磨いてもらう事を条件にクルマを貸し出した。
輸入車であれば、自動車メーカーのクライアントも目くじらを立てないだろう、という理由と、エステートなので、車内の様子を後ろからカメラを入れて撮影しやすい、という理由で採用された。
僕のVolvo850はCGで合成されるだけではなく、内装も後付けの形で未来のクルマに変貌していた。

アイ、ロボットはアウディにとっての素晴らしいブランドマーケティングになっている。

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09月19日(日)
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