ID:99799
斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
[1220779hit]

■若手社員でも会社は変えられる(その2)
〜(その1)から読んでね〜

僕は5つの施策を考えた。

@営業管理システムの徹底改善
Aクライアントサーバーソリューションの開発
B販売代理店活用と経営診断ツール
C新人営業が話せるツール作りと経営セミナーの定時開催
D営業、SE、販売代理店の再教育

@営業管理システムの徹底改善
まず、システム部門にお願いし、企業情報のDBと営業情報管理システムの改善を行なった。
当時は、CRMという言葉もSFAという言葉もなかった。
僕がやろうとしたのは今で言うまさに、CRMとSFAのシステム構築である。
システム部門は、営業が既存のシステムを全く活用してくれない事を嘆いていた。
当時の営業部門はそれぞれの営業部ごとにバラバラのフォーマットで営業の管理を行なっていた。
僕は事業部内で唯一の営業システム利用者だったのだ。
システム部門は、僕の営業システム改革の依頼を大喜びで、引き受けてくれた。
僕は、システム部門と議論しながら、数ヶ月かけて従来システムを全て変更した。
事業部のシステム部門のユーザーは事実上、僕ひとりだったので、僕の意見は全面的に受け入れられた。

Aクライアントサーバーソリューションの開発
外部のシステム開発会社を何社か回り、ソリューションの「型」をつくってもらった。
中型サーバーの情報をミドルウエアを介して、PCに落とし、PC上のEXCELのマクロやVBAを使って、ボタンを押すだけで、経営情報のグラフが表示できるソリューションを作った。
外部のシステム開発会社とは協業、という形にしたので、お金はかかっていない。
協業会社は自社が保有しているミドルウエア製品が売れれば良かったのだ。
このソリューションを使えば、ダム端末と呼ばれるただの表示ディスプレイにキーボードがついただけの端末が、一斉にPCに置き換わる。
加えて、サーバー側の機能もフル活用することになる。
フル活用されるにしたがって、サーバーはどんどんアップグレードされるはずだ。

B販売代理店活用と経営診断ツール
販売代理店の営業はヤンキー上がりのにいちゃんとかもいて、とんでもなくレベルが低かった。
僕は既に社内に存在していたが、まるで活用されていなかった簡単企業診断ツールを発見した。
アンケートに答えていくと、自動的に企業の改善点が、ビジュアルとともに即座にプリントアウトできる、という優れモノだった。
ビジネスショー等のイベント会場等でのみ使われていた。
僕はこの企業診断ツールに目をつけた。
できあがってきた新営業情報システムを活用し、有望そうな顧客リストを抽出し、アンケート部分のみをDMにして数万通送った。
アンケートに答えると、診断結果と記念品がもれなくもらえるようにした。
そして、診断結果と記念品は手渡し。
郵送はしない。
代理店営業が、直接、診断書と記念品をもって、クライアント候補を訪問する。
同時にクライアント企業の企業情報を帝国データバンクのDBから引き出し、一緒に営業担当者に渡した。
既に診断書が出ているので、話はしやすい。
即座に、システム改善の提案を開始できるようになった。
しかも、僕は診断結果はAのクライアントサーバーソリューションに結びつくように細工をしていた。

C新人営業が話せるツール作りと経営セミナーの定時開催
上記の診断ツールに加えて、会社のセミナールームにクライアント候補を連れ込む必要があった。また、新人が話すネタ作りが必要だった。
僕は、数ヶ所存在していたセミナールームでそれぞれ月に1回のペースで「経営セミナー」を開くことにした。
ワザとシステムの話ではなく、経営セミナー、という形を選択した。
社内で暇そうにしていたコンサルタントのおじさんに僕の戦略を話し、講師をお願いしたら、二つ返事で受けてくれた。
これで、新人営業は、キャンバスコールや初対面のクライアント訪問に、セミナー案内、という大義名分ができた。
Bの診断書とあわせて、経営セミナーの案内状をクライアントに持っていけば、簡単にセミナーに案内できるようになった。

[5]続きを読む

08月16日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る