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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■サービス残業の存在しない企業なんてあるのか?
武富士がサービス残業代を遡及して支払ったうえ、書類送検までされたらしい。
この記事を呼んだ日本企業のマネジメント層は、下記の二つのうちのどちらか、もしくは両方の感想を持ったはずである。
@げっ、次はウチか?まずいなあ。
Aかわいそうに見せしめかあ・・・。
少なくとも「サービス残業をさせるなんて何とひどい企業だ!」などど感じるようなマネジメントはいない。
日本において、サービス残業のない企業など、ほとんどない。
少なくとも僕の知っている企業でサービス残業をさせていない企業は皆無である。
日本の企業(含む外資)においてサービス残業は当然のものである。
残業代は支払わないのが企業社会の常識なのである。
僕は年俸制なので、残業という概念がない。
休日出勤と徹夜をつづけ、3ヶ月間の間に1日も休みがない、とか、その3ヶ月間のうち、3時間以上連続で眠った事がない、更にその3ヶ月の中で海外出張が数回、という経験を2度ほど経験している。
その時は、本当に死ぬかと思った。
最後のほうは、生きているほうが不思議な感じで、眠ったら最後、二度と起きる事はないかもしれない、と本気で感じた事が何度もある。
過労死すれば、間違いなく認定モノである。
その時、僕は言った。
「1日は24時間しかないので、これ以上は働けません・・・」
上司は言った。
「ニューヨークに出張すれば時差が12時間だから、1日でも36時間働けるよ」
ユナイテッド航空の001便の「エコノミー」チケットが手渡された。
数年前の僕はゴールデンウィークが近づくたびに海外に飛ばされていた。
海外に行けば、ゴールデンウィークは関係ないからである。
僕にとっては、現在の職場も以前の職場もタイムカードというものが存在しないし、残業という概念もないので、サービス残業も存在していない事になっている。
だが、僕にはプライベートが存在しないことは当然として、睡眠時間のような「動物」としての最低限の時間も与えられていない。
人間のような「文化的な生活」からは1万光年遠い。
「9時出社5時退社」を認めてくれる企業があれば、僕は今の年俸が半分になっても即断即決で転職する(お買い得ですよ、希望する企業はありませんか?)。
僕の例は極端だとしても、残業代を全て支払っている企業なんて、日本に存在するのだろうか?
現在、僕が所属する会社は世間的には最初から激務で通っているので、どうでも良いが(僕の会社では「9to9キャンペーン」をしばらく前から行っている。1日の労働時間を12時間!まで縮めようというキャンペーンである・・・。当然ながら達成にはほど遠い)、前職の時は非常にむかついた。
僕が以前勤めていた某社は労働時間が短く、休暇が多いことをウリにしている企業だった。
実態は「残業をつけさせない」、「休暇を取得していないのに、書類上だけ休暇を取得したことにする」、という事を社員に強要していただけの事である。
書類上は、労働時間は短いし、休暇も多いことになる。
僕はサービス残業も書類上の休暇も「サラリーマンとして」受け入れていたが、どうしても許せなかったのは、社員の犠牲によるウソのデータを使い、優良企業としてのプロパガンダを行っていた事である。
僕は何度も会社に対し、「個人として」クレームをつけた。
「一万歩譲って、残業代が出ない事も書類上の休暇取得も認めよう。だが、そのインチキデータを外部に公表し、優良企業のフリをする事は止めろ!」
もう、辞めた企業だから知った事ではないが、今、考えても腹が立つ。
でも、サービス残業を認めなければ、日本の企業はあっという間に業績が悪化するのも事実。
僕は資本主義者でマネジメントの味方だが、日本のマネジメントは根本的なところで勘違いをしている。
リストラによって人員削減をした結果、残った人員の仕事量を増やして、削減した社員の仕事の穴埋めを分するような対応は、マネジメントでもなんでもない。
残業代も支払わない。
これを機に、厚生労働省はサービス残業の実態調査をすべきだ。
企業は一斉に隠蔽にかかるだろうけれど。
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07月27日(日)
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