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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■PSXのビジネスモデルを勝手に想像してみる
ソニーが2003年度経営方針説明会という今年度の業績悪化の言い訳会にてPSXの発表を行った。
うまく、煙にまいたな。
モックだけで。
で、PSXを物欲番長である僕は買うか否か?
(゚听)イラネ
だって、PSXってこの発表を見る限り、単なるPS2+HDD/DVDレコーダーじゃん。
それだったら、既に持ってる。
ハードウエアや機能から見る限り、物欲は刺激しない。
で、僕が気になるのはPSXの価格戦略およびビジネスモデルである。
今回の発表では価格については一切触れられていない。
ご存知のとおり、PS2はハードウエア単体で利益が出るビジネスモデルを採っていない。
PS2のソフトのロイヤリティーで儲けるしくみを採用している。
PS2のハードウエアは赤字でも良く、後から売れるゲームソフトのロイヤリティーで商売が成り立っているのである。
PS2はコスト削減努力の結果、既に多少の利益が出る水準にまで到達しているのかも知れないけれど、ビジネスモデルとしてはハードウエアで利益を出す必要はない。
と、するとこのPSXはいくらくらいで販売されるのか?ということである。
ハードウエアのスペックから類推すると妥当な価格は128,000円(オクノ総研推計価格)である。
だが、PSXにはこのPS2のソフトで儲けるビジネスモデルの要素が含まれているのだ。
しかも、なにやらブロードバンド経由でコンテンツも売るような仕掛けもあるようである。
ソニーは単純な売り切り価格を採用するのだろうか、という疑問が沸いてくる。
そうであるならば、通常の売り切り価格の128,000円(オクノ総研推計価格)ではないかも知れない。
99,800円(オクノ総研推計価格)ってとこか。
で、So-netのブロードバンド接続サービスに年間契約加入する場合は、もっと安いとか。
コンテンツ契約をすれば、さらに安く。
みたいな。
メーカーの悲願は売り切り商売から、サービス提供モデルへの移行である。
それを称して、「超」製造業とか言ってるメーカーもいる。
メーカーは製品を売った後でも、毎月、サービス料が入ってくる、というビジネスモデルを志向している。
携帯電話の本体は赤字で販売して、月額通話料でモトを取るモデルと同じだ。
それでハマって、大変な事になってしまったのが「ep」だけど。
ゲーム業界も同様で、ゲームメーカーがネットゲームに移行したがるのは、ゲームソフトを売り切りビジネスから、月額利用料を取って、ユーザーから永久にお金をむしり取る安定したビジネスモデルに移行したいからである。
そうすれば、水物のゲームソフト業界も少しは業績が安定する。
PSXはハードウエアのモックが出ただけなので、何とも言えないけれど、ソニーはサービスモデルと組み合わせて勝負してきそうな気がする。
コクーンでもたかだか月額300円だけど、携帯電話経由の録画予約サービスで月額料金を徴収するモデルはお試し済だ。
僕もこのサービスは利用しているけれど、このまま携帯電話経由のショボい録画予約サービスだけで終わるとは到底思えないのである。
そのうえ、新型コクーンでは機能をソフトウエア的にあらかじめ組み込み、お金を払うとその機能が使えるようになる、というビジネスもお試し済なのである。
PSXのハードディスクに入れられるだけお試しコンテンツを詰め込み、ちょっと試して気に入ったら、お金を払ってネットからカギとコンテンツの続きをダウンロードするようなサービスなのかもしれない。
もし、そうだとしたら「ep」みたいにならないようにね。
奇をてらいすぎるモデルだと、ユーザーは理解できずに逃げちゃうから。
でも逆に言えば、僕が数分で思いつくような、この程度のビジネスモデルは、実現してなきゃソニーじゃないよね。
■ソニー、2003年度経営方針説明会で新プラットフォーム「PSX」を公開
−PS2をベースにDVD/HDDレコーダ機能を搭載
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030528/sony1.htm
05月29日(木)
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