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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■コンサルティングファームの謎 Lコンサルタントはマシーンのように働く
初めてコンサルタントを使うクライアントにプロポーザルを提出して、プレゼンをすると必ず訊ねられる質問がある。

「業界や業務内容、自社の事情については自分たちのほうが圧倒的に経験も知識もあります。たった1−2ヶ月でどうやってそれを超えられるんですか?」

「何年にも渡って私たちが答えを出せなかった問題になぜ、たった1−2ヶ月で答えを出せる、と言い切れるんですか?」

僕たちとしては「そりゃあ、あんたたちがマジメに仕事してないからだよ」と言いたいところだけれど、そうは言えない。

先日、同じような質問を実際にされたときの答え。


「我々はマシーンのように働きます」


コンサルタントは実際にマシーンのように働く。
とても、頭を使って考えるような仕事をしているようには見えない。
一日中、朝から「朝」まで鬼のような速度でキーボードをたたき続けている。
通常、考える仕事は非定型業務なので、本来の仕事の成果は時間とは関係ないはずなのだけれど、コンサルタントは長時間労働者である。

僕たちは本来は「非定型業務」である、考える、という行為を「定型化」している。
「うーむ、うーむ」、と悩んで答えを探してはならない。

コンサルタントの仕事には必ず締め切りがある。
締め切りまでに意地でも答えを見つけなければならない。
悩んで答えが必ず見つかるのであれば、クライアントはただ単に悩み足りないだけである。
悩めば必ず答えが見つかる、などという保障などどこにもない。

僕たちは考える、という行為を定型化、とまではいかないまでも極力定型化する。
考える、という行為をできる限り、頭を使わない作業レベルに落とし込むのだ。

いわゆる、仮説思考というやつだ。
コンサルタントにとっては、当たり前とも言える、基本中の基本だ。
新人コンサルタントは「で、仮説は何なんだよ」とか「仮説も立てずに分析をやるとは何事だ」と毎日怒鳴られつづけているはずである。

仮説を作ってしまえば、あとは検証するだけである。
検証は単なる作業である。
たぶん○○だ、という仮説を立て、それを検証するためのデータ収集やインタビューを行なう。
検証作業をやっていくうちに、仮説が間違っていたとしても、その作業の過程で正しい答えが見つかることが多い。
仮に完全に仮説が間違っていれば、もういちど仮説を立て直して検証しなおせば良いのだ。
繰り返せば短時間に答えは見つかる。

コンサルタントにとっては、仮説→検証の繰り返しは当たり前の事として、既に肉体化されているので、意識することは少ない。

ブレストをして仮説を立てる。
そしてマシーンのように検証作業を行なう。
またブレストをする。
そしてまたマシーンのように働く。

コンサルタントの優位性って実はこれだけのような気がする。

あとは・・・・・・・・・。












寝なくても平気な体力。
03月26日(水)
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