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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■ソフトバンク株で儲かってしまっている僕の矛盾
携帯電話事業への参入が認められたことそのものは、「買い」の材料である。
しかも、ソフトバンクは、YahooBBや日本テレコムといった固定通信網も保有しており、携帯電話と固定通信の融合したサービス(いわゆるFMC)を展開できる数少ない企業でもある。
一応の優位性はあるのだ。
ところが、携帯電話事業だけを取ってみると、電波を割り当てた総務省の思惑は、競争促進にある、と思える。
総務省がソフトバンクに期待しているものは、いわゆる「当て馬」。
現在の、NTTドコモ、KDDI、ボーダフォンの3社が市場と利益を独占している現状に対して、競争を促進しようとしているのではないか、と思われる。
ソフトバンクが携帯電話事業に参入することは、ナンバーポータビリティーの導入と相まって、携帯電話事業の競争を激化させるだろう。
間違いなく激烈な価格競争が始まる。
ソフトバンクは、その競争を激化させるためのただの当て馬のように見える。
今更、携帯電話事業をゼロベースで立ち上げて、競争力を持てるのか?
NTTグループは、グループ再編成により、NTT法ギリギリのビジネスを展開しようとしている(僕はすでに違法といってもいいくらいの状態だと思う)。
少なくとも、ソフトバンクは、NTTドコモ、KDDIには勝てない。
ボーダフォンは、何とかできるかもしれないけれど(場合によっては買収?とか少なくともMVNOくらいは使うだろう。でも、ボーダフォンのインフラを使うんだったら、そもそも免許なんていらないよな・・・)。
その勝ち目のない戦いに数千億円が投入される。
アセットビジネスなんだから、最初に巨額の投資をせざるを得ない。
ソフトバンクは、赤字が出ないように慎重に投資していく、と言っているが、固定網と違い、携帯電話はどこでも繋がらないと話にならないので、少しずつ投資していく、という論法はおかしい。
固定通信、光ファイバーなどは、点から線、面へと少しずつ広げていけばいいのだけれど、携帯電話は、サービス開始時点で全国どこでも繋がる、というインフラが整備される必要がある。
立ち上げ時に一気に投資してインフラを整えなくては、携帯電話事業ははじめられない。
今更23区内だけ繋がる(かもしれない)携帯電話に乗り換えるアホがいるか?
ソフトバンクに勝ち目があるとすれば、数千億から一兆円近い投資を一気に行えるか、固定網との融合を早期に達成できるか(今期の黒字を維持したい)、NTTの再編を止められるか(総務省に借りがある)、しかない。
僕なら、裁判で勝てる勝てないは別として、NTTのグループ再編に対して、独禁法違反、NTT法違反で訴えて、時間稼ぎをすることからはじめるけど。
これから数年間の通信のキーワードはFMC、固定網と携帯網の融合なので、NTTグループの再編の動きは、ソフトバンクにとっては脅威であるはず。
と、まあ僕にとっては、あり得ない、と思いつつも、現実にはソフトバンクの株価は異常な高騰を続け、僕は儲かっている。
逃げたい。
でも、僕は、儲かっているし、株価上昇のスピードは落ちていない。
自分の思惑とは、全く逆なのに、儲かっている、という現実。
ギャンブルというか、チキンレースというか。
株価はいずれ適正価格に収斂するはずなので、暴落する日は来るだろう。
でも、いつ暴落するのか、どこが天井なのかが判断不可能。
スイングトレードでもやってヘッジするしかないのかな。
逃げ遅れないようにしなきゃね。
もはや欲との戦いだ。
11月26日(土)
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