ID:99799
斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
[1220767hit]
■モバイル放送を使い始めて約1ヶ月
映像や音声の画質や音質に関しては、決して優れたものではないが、周波数帯域の割り当てに起因する問題なので、文句を言うつもりはない。
画質や音質は割り切らざるを得ないと思うので、問題にしない。
モバイル放送のビジネスの企画の発端は、米国の車載向け衛星ラジオなのだろうな、と思う。
僕のように映像を主体として利用する人間は、当初のユーザー層として想定されていなかったのだろう。
音声系の衛星ラジオとしてビジネスの企画が立ち上がったのだが、技術的には映像も流せる、ということになり、映像チャンネルを加えた、のではないかと推察する。
映像放送に期待するほうが間違っているのかもしれない。
一方で、ラジオとして捉えると、USENのコンテンツをほとんどそのまま垂れ流し、である。
僕は、12,000曲が蓄積されたiPodを持ち歩いている。
USENを敢えて衛星経由で聴く必然性はない。
僕から見ると音楽放送の競合は、iPod。
米国であれば、衛星ラジオとしてビジネスが成立したのかもしれない。
でも、日本では有料の衛星ラジオが音声放送単独で、ビジネスとして成立する姿を想像することは難しい。
首都圏では、FM局がいくつもある。
iPodだってある。
データ放送は、この情報量、使い勝手では、災害時くらいしか使わないだろう。
そのせいで、僕はどうしても映像チャンネルに期待してしまう。
モバイル放送は、車載、PC、専用機と複数の異なる利用シーンを想定していると思われる。
それぞれの利用シーンにおける視聴スタイル、求められるコンテンツは異なる。
利用シーンが異なり、端末の形態も異なるにもかかわらず、同じコンテンツ、ユーザーインターフェイスで対応しようとしたところに無理がある。
放送インフラとしては、いい線を行っていると思うんだけどなあ。
モバイル、という環境におけるコンテンツのありかた、ソフトウエアの実装について再検討して欲しい。
モバイルPCで視聴している利用者としての僕からのモバイル放送に対する希望は以下のとおりである。
@チャンネル切り替えの速度を少しでもいいから速くして欲しい
AEPGに予約録画機能をつけて欲しい
Bブルームバークのような情報主体の放送を充実して欲しい
CユーザーインターフェイスはいくらなんでもPC向けに作り直すべき
D地上波のサイマル放送、もしくはそれに近い放送を流して欲しい
落としどころとしては、視聴スタイルを専用機、車載機、PCのどこかに絞るか、全てに対応するユーザーインターフェイス、コンテンツを用意すべきか、である。
もともとのビジネスアイディアは車載向けの衛星ラジオだったのだろう、と思う。
だけど、日本では車載向けのデジタル放送は投資と需要が見合わない。
専用機、車載機の加入者はほとんどいないと推察される。
だったら、PC向けに割り切るべきだと思う。
モバイル放送は、三兎を追って、マスをターゲットにしてもビジネスとしては成立し得ないと思う。
三兎を追ってもしかたがない。
普通に考えれば携帯電話向けに放送すべきなのだろうけれど、現時点では携帯電話向けはCPUパワー、電源等の問題でまだ実現は難しいのだろう。
コンテンツに関しては、モバイルの利用シーンに特化した専用コンテンツをはじめから無理をして揃える必要はないのではないか、と思う。
そんなものをワザワザ作っても、現状ではビジネスとして成立しない。
コンテンツに関しては、既に存在する放送コンテンツの使いまわしで構わない。
愚直なユーザーの本音としては、地上波のサイマル放送してもらえれば、それがいちばんいいんだけど・・・。
携帯電話向けの地上波ワンセグ放送も、ワケのわからない携帯電話向けコンテンツではなく、アナログ地上波をそのままサイマルで流してくれりゃいいのに、と思う。
モバイル向けのコンテンツとは何か?などと難しい事を考える必要はない。
地上波をそのまま流してくれれば、いいのだ。
まずは地上波コンテンツをそのままサイマルで流し、ユーザーの動向や普及状況を見ながら、モバイル向けにコンテンツを充実させていけばよいのだ。
[5]続きを読む
04月05日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る