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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■「一太郎」判決をきっかけにソフトウエア特許の議論を高めよう
@知的財産権による収益
ごくごく一般的な、企業の特許戦略。日本のような資源もなく、労働コストも高い国は、知的財産権でしか収益を上げられなくなりつつある。企業にとって知的財産による収益増を狙うのは、当然の流れである。

A他社が特許を出願してきた場合の防衛
企業は、必ずしも特許により、収益を上げようとしているわけではない。オープンソース的にライセンスフリーで自由に使ってもらってもよい、と考えている特許も多い。これらは、競合他社が先に特許を出願し、自社が特許侵害になることを恐れるために出願される。先日のIBMやSunのように取得済みの特許をオープンにします、と宣言するケースもこれに近い。デファクトスタンダードを狙い、かつライセンス料を求めない、という戦略も多い。

B出願して競合をビビらせる
成立前の出願特許を見ていくと、どう考えても成立しないと思われる特許が多い。これは、出願した企業側も成立するとは考えていないケースがある。特許は出願すると、一定期間を経て公開される。特許は出願しても成立するとは限らないが、特許の出願情報は公開されるので、競合企業に対して、脅威を与えることができる。だが、逆に特許を出願することにより、本命の戦略も外部に公開されることになるので、その両者を天秤にかけて検討することが必要となる。

僕は、特許、そのなかでもソフトウエア特許、ビジネスモデル特許に関する議論が、これを機に一般消費者のなかでも高まる事を期待している。
企業にとって、特許戦略、知財戦略は非常に重要である。
だが、法整備は、現実に追いついてはいない。
逆に言えば、法整備は現実に永久に追いつけないのかも知れない。
法律はテクノロジーの進化の速度に追いつけない。
法整備を待つ事よりも、どんどんと裁判により、判例を作っていく事が必要なのではないか、と思う。

特許侵害をされた企業は、どんどん訴訟を起こすべきだし、訴えられた企業は異議があるのなら受けて立つべきだ。
そうやって、議論が高まっていく事を期待したい。

■「一太郎」判決の衝撃
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0502/02/news080.html
■オープンソース界の大物らがソフトウェア特許を酷評
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0502/02/news104.html

02月01日(火)
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