ID:98098
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by しゅーこ
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■春のそら


さくら花 散りぬる風の名残りには 水無き空に 波ぞたちける

遙かのボーカル集 君恋ふる歌で泰明さんのモノローグとともに朗読されていた和歌です。

まだ桜が散る季節までには大分ありますが、昨夜の強い風のせいか、今日は本当に空が春色です。
一足早い春の空です。

飛鳥時代にも朝廷の宴の席で「春と秋のどちらが良いか?」という天智帝のご下問に各々が漢詩で答えているのに(当時は大陸の文化がとてももてはやされていました)額田王は心のままに大和言葉で歌を読みました。額田が選んだのは「秋」。

時代が下って、源氏物語の中にも紫の上と秋好中宮が「春」と「秋」の良い所を自慢しあうというお遊びのくだりがあります。(紫の上は六条院の東の対に春の庭を、秋好中宮は西の対に秋の庭を設えてそれぞれ景色を楽しんでいました。)秋好中宮が亡き母(六条の御息所です)を忍んで「秋が慕わしい」と思うのもよくわかるのですが、「わたくしは春が好き」といいきる紫の上が私は大好きです。

紫の上はよく源氏に幼い頃に略奪されて(笑)その理想通りに育て上げられた女人というふうに表現されるのですが、彼女、ちゃんと自我を育ててます。
保護され、思うままに育てられていた彼女がその生涯の終わりには源氏を愛しながらも憐れむまでに成長しているのは見事です。
(源氏物語って、見ようによっては、女性達がどうやって源氏という男を見限っていくかっていうお話しなような気がします。けっしてハーレムで男の理想っていうお話しではないと思います。そして紫の上を失ってはじめて源氏はこの世の理だとか、眩しさに気付いたんじゃないかなって思うの。源氏は藤壺中宮を最高のひととして崇めているけれど、私は紫の上にとても惹かれます。ほかにも朧月夜とかも好きですが・・・)

その春の御方=紫の上がこよなく愛した春。
萌え出づる緑、どこか煙ったような柔かな空気、水色の空、どこからか漂って来る木花の香り、草花が生き生きとしてなんだか自分までじっとしていられないような気分・・・私も春が好きv




昔のひとのお遊びをマネしてみようかしら・・・「あなたは春と秋どちらが好きですか?」







03月02日(日)
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