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いぬぶし秀一の激辛活動日誌
by いぬぶし秀一
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■東京都知事選挙を振り返って
年が明けて、すぐさま都知事選挙に突入し、終わってから1ケ月が経過した。お手伝いした田母神俊雄選対のあり方については、様々な意見、誹謗中傷がネット上に流されているが、選対の中にいた一人として、そろそろ問題点を公開しておくべきだと思う。以下、この選挙の問題点を自己反省を含めて書いてみたい。
1.高級指揮官と兵隊しかいない部隊配置
日本文化チャンネル桜の社長を頂点として「自称有名人」が選挙カーの壇上には連日登っていた。なかには、誰が候補者かと思うほど長々と持論を話す「応援弁士」も見受けられ、「回遊魚」と呼ばせていただいた熱狂的な保守層の方々以外からは、大変な不評だった。
それを止めさせたり指揮する現場責任者が最後まで不在で(私を含めて複数が指名されていたが、「指揮官の指令を聞かない部隊」に結局誰もコントロールをしなかった。)
「能書き」を言う「高級指揮官」は大勢いたが、残念ながら選挙、それも国政レベルの大型選挙の参謀の経験者が私だけだったのは、いささか辛かった。選挙でも戦争でも、重要なのは下級指揮官と有能な下士官がどの程度いるか、だ。今回の戦いに欠けていたのは、組織的な指揮系統、意思決定のガバナンスいずれも欠いていた事だったと思う。「思いつき」が、混乱を招いたことも度々だった。
2.街宣活動と選挙活動の違い
日頃から、街宣活動を行なっていた保守系ボランテイアの方々に、「街宣」と「選挙」の違いをご理解頂くのも大変だった。街宣は、大きな声で怒鳴ったり、いかなるチラシを配布してもいい。また、汚らしい服装や、言葉遣いや横柄な態度であっても「好感を得ないだけで」問題は差ほどない。
が、選挙は違う。チラシ1枚、掲示物一枚で警察の御用になってしまう。実際私は、選挙告示日から数日は、公職選挙法遵守のために演説現場にいたようなものだったし、各会場の所轄警察署に何度「警告」を受けたことか。
また、汚らしさは左翼の特許かと思ったら、実は保守系の活動家にも結構いることが判明した。残念ながら、運動の中心的な人々のなかにも「汚らしい格好」「だらしない格好」「品性のない言葉遣い」をする方々が少なからず存在していた。.
自己主張がメインの街宣活動とは違って、政治活動それも選挙を意識した活動では、1、端正な服装 2、礼儀正しい態度や言葉づかい 3、あふれるような笑顔 これが必要だ。怖い顔でがなり、汚い服装でチラシ配りは頂けない。次回はこのことを猛省を願いたい。
3.その日暮らしの街宣計画
都知事選ほど大型でなくとも、だいたい選挙中の街宣日程は事前に決めておくものだ。今回も、当選された舛添氏の街宣日程を選挙前に入手していたが、すべての日程が選挙告示日前に決定していた。
当方は、と言えば、一日の選挙日程が終わって、事務所に帰り、選対会議が終わる午後10時頃から、選挙の素人が日程を作りはじめるという具合だった。
インターネットに翌日の日程が公開されるのは、前日の深夜だったのは、こういう内輪の事情である。さらに、せっかく決めた日程も、途中の「思いつき」でしばしば遅れたり、カットされてしまった。
4.映像のための選挙か?選挙を撮影する映像か?
選対本部長がチャンネル桜の社長だったことが、この選挙をより特殊なものにしていたのかもしれない。東日本大震災の被災地支援でも痛感したのだが、「映像撮影にこだわる」と、本来の「目的」を見失ってしまう恐れがある。
高所作業車にデヴィ夫人や石原慎太郎元都知事を載せて演説させるパフオーマンスは「泡沫候補」ではない、というイメージ効果はあっただろうが、「票」には結びついただろうか。
選挙戦のさなか、貨物船に宣伝カーを載せて大変な思いをして乗り込んだ伊豆大島での選挙活動。費用と労力をかけた結果、500票余りの得票だった。はたして…
最終日近くに、選対の誰かが「オーロラビジョンを走らせよう」と提案し、選対本部長がこれに飛びついた。パチンコ屋などが宣伝に使っているあれだが、突然の導入に、よくわからない映像しか流せず3日間で中止。約100万円が運行会社に払われた。
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03月08日(土)
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