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いぬぶし秀一の激辛活動日誌
by いぬぶし秀一
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■悪夢の本会議最終日
 それは正に悪夢だった。昨日は大田区議会第一回定例会の最終日だたった。区役所10階にある本会議場で午後1時から、いつもどおり淡々と本会議がすすめられていた。午後2時すぎには、一人会派におる予算案に対する討論が行われており、野呂けい子議員の討論では、相当多くの理事者(お役人)が熟睡(いや熟慮)されていたので「起きろ!!!勤務時間中に寝るな!討論聞け!!」と野次った。

 本会議は、会社で言えば取締役会であろう。社長のいる会議で居眠りをこく取締役は、即刻解任だ。議会では、目をつぶって熟慮されていることが多い、教育行政のトップは相変わらず「本日も熟慮」だった。区立学校でも「熟慮している児童・生徒」が目立つのは、そのせいか‥(お前、犬伏だって熟慮してるか野次っているかだろ!by隣席の荒木秀樹議員)

 さて、私の討論の順番が来て、昨日の日記に書いた討論を議場で語り、その後各委員長報告が始まったその時である。区役所最上階にある議場が大揺れに揺れた。それは本当に「この世の終わり」のような激震だった。

 いままで議場の討論には無関心だった、各部課長たちの行動は早かった。区長、副区長らを残し、蜂の子を散らすように持ち場に走るのだ。残った議場で、暫し時間がたち、議長が「休憩」を宣言。議員は控え室へ。

 が、10階にある議会事務局や議員控え室は戦場のような有様だった。後で知ったのだが、区役所の1階や2階ではたいしたことはなかったようだ。免震構造なのか上層階はゆれが増幅されるらしい。
すべての引き出しが開いた事務局

 大きな余震が続くなか、議長が「幹事長らを招集」して善後策を協議しているが、その間にも余震が続く。議長が「延会」を宣言しないと、いままでの議決がすべて無効になってしまうそうだ。

 シナリオどおりの「円滑な議事進行」に慣れた、事務局や議員にとって「想定外」の事態への対応は、あくまで「規則どおり」。規則どおりであれば、幹事長会を開き、議会運営委員会を開き、そして、事務局が「議事運営のシナリオ台本」を書き本会議再開、となる。

 しかし、事態は緊急の非常事態である。対策本部の設置などがあり、お役人を議会に拘束するわけにはいかない。とにかく、議場に議員を集めて、議長が「延会」を宣言すればいい。「何やってんだ!緊急事態だぞ。幹事長会なんかやってる場合じゃない。早く、議長が宣言しろ!」思わず怒鳴ってしまった。(反省!)

 阪神淡路大震災の際、被災者を救助するため被災地に着陸しようとした陸自のヘリに対し、国土交通省のお役人が「ヘリポートではないから着陸はだめだ。」と、危険なホバリング(空中停止)を強要したり、被災者用に自衛隊が用意した簡易風呂を、神戸市保健所が「公衆浴場はお湯を循環させねばダメ」とクレームをつけた事案など、非常事態においては、法や規則よりも優先すべき事は何かを考えることが求めらる。
本落ちた議会図書室

 さて、相当の時間がたち「延会」が宣言された。私は、一目散に自宅に戻り「防災服とヘルメット」に着替え、地域を巡回した。区役所10階の悲惨さに比べ、低層住宅が多い地元では、目だった被害は見当たらなかった。そこで、地元の大田区特別出張所へ寄り、状況を確認。再度、区役所に戻った。

 区役所には、松原区長を本部長とする災害対策本部が設置され、本部会が開催されていた。また、迷彩服の自衛官も到着。日頃、議会や委員会で「いい訳」のような答弁を繰り返している、部長たちが「いい訳」が通じない「実戦」を前にして「真剣に」「前向きに」「積極的に」議論、提案する姿を目前に見て、大きな感動を覚えた。

 人々の生命、財産を守る、という最も基本的な行政の火急のミッションに対し、全員でそれぞれの持ち場の特性を活かして頑張る姿は、区民の一人として感謝、感謝である。先ほどまで「熟慮(熟睡?)」されていた姿とは全く違う一致団結した部長達の姿。素晴らしい!!!

 さらに、野田副区長の「それぞれの部長の判断に任せる」という言葉も、混乱した戦場の上級指揮官としてはベストの判断である。指揮系統が混乱している中、最前線の現場指揮官が最も状況を把握している。そこの判断を尊重するのは正しい。


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03月12日(土)
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