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いぬぶし秀一の激辛活動日誌
by いぬぶし秀一
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■開発・観光対策特別委員会行政視察@熊本市
区議会では、常任委員会と特別委員会各年1回、先進的自治体に「行政視察」を行っている。予算は、常任が議員一人10万円で、大田区職員の「付き添い」2名、特別が一人5万円で「付き添い」1名という感じだ。予算から、常任は2泊3日、特別は1泊2日が恒例化している。
実際に「先進的」かどうか、よりも「日程的」条件、「予算的」条件、さらに「夏は北」「秋、冬は南」という「議員の体調」に配慮したのでは、という条件も感じられる場所設定である。
さて、本日からは、1泊2日で熊本市、福岡市へ視察である。13名(職員を含む)で65万円の税金を使った成果をあげなければ、事業仕分けをせねばならない。
羽田空港に出発の50分前に集合!老人会の旅行じゃあるまいし、普通なら「航空券」を事前に渡し「機内でお会いしましょう」と、自己責任でいいと思うが、それでは「付き添い人」の役目がなくなってしまうから、団体旅行よろしく、50分前集合などということになる。ここにも「官民」ならぬ「政民」格差が生じる。
さて、9時35分の定刻を少し送れて羽田を出発し、熊本空港には12時前に到着。バスでホテルへ移動。荷物をフロントに預け、各自昼食。まだ、仕事は何もしていない。
13時すぎに、熊本市議会のバスで熊本駅周辺整備事務所に移動。新幹線の開業に伴う、熊本駅周辺の整備事業につきレクチャーを受ける。特に、駅前東地区についての手法が興味をひいた。
通常の再開発は、お役所が計画をし「いかにも住民、地権者が言い出したかのように装う」第一種市街地再開発事業(再開発組合施行)で行うことがほとんどだが、熊本の場合は、地方自治体(熊本市)が行う第二種市街地再開発事業で行っているのだ。
どうせ、行政が許認可権を使って様々の規制をかけ、全国同じような「金太郎飴」のような再開発事業を「地権者主体」と言い張ってすすめる再開発組合施行でやるなら、はっきり自治体の責任を明確にする第二種のほうが潔いと思うのは、長年、大田区の再開発に関わってきた「嘆き」だろうか。
その第二種市街地再開発だが、いささかきな臭いのは、熊本市のリスクを回避するために、建築工事を請け負う特定業務代行者(ゼネコン)と、保留床を取得、再販するデベロッパーたる特定事業参加者を、プロポーザルで決定している点だ。何が「臭うのか?」それは、いずれも、超大手と地元業者との共同企業体でのプロポーザルなのだ。
「大手と地元とのグループ分けは、どのようにしましたか?」との私の質問には、「業者同士で話し合って決めた」との回答があった。ここが「臭い」のだ。地元産業育成の観点から、地元企業を入れることを否定はしない。であれば、事業者決定後「下請け」で入れればいい。
ところが、共同企業体を組ませると、過去の例では「地元業者で話し合い」をしてしまい、大手がどこであっても、地元の「チャンピオン」と組んだとおろが「落とす」という事例が多いのだ。熊本市がそうだとは言わないが、その懸念は残る。ゼネコンでも、談合課徴金に懲りた「スーパーゼネコン」は、このような「危ない橋」は渡らないことが多い。この案件にスーパーが参加したかどうか、聞き忘れた。
人通りもまばらな、熊本駅前に異様な35階建てのマンションが建てられていた。最上階の1億円を越える部屋はすでに売れているそうで「地域初の高層マンションは必ず売れる」という好例なおだろうか。
この新幹線開業、駅前再開発を起爆剤に、熊本市が政令市に指定され、ますます発展されるよう祈念する。
早めに行政視察が終わったので、同僚議員を誘って「バス・市電一日パス500円」を購入して水前寺公園、熊本城へ向かった。その昔は知らないが、私が議員になってからの「国内」視察では、せっかくの観光地でも、有名観光地には絶対にいかない。有名温泉地のある自治体に視察に行っても、あえてビジネスホテルに泊まり、温泉旅館には泊まらない。
区民やマスコミを意識してのことだろうが、本来の視察を真剣にすれば、そんなことは気にすることはないと思うが。
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10月26日(火)
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