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いぬぶし秀一の激辛活動日誌
by いぬぶし秀一
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■学校を変える・地域を創る@政策研究大学院大学
今日は、自治体教育政策シンポジウムに参加した。これは、政策研究大学院大学と読売新聞社の共催で開催されたもので、たまたま読売新聞で見つけて申込んだ。なにしろ「無料」というのがいい。新聞の小さな記事や告知には、結構興味深いものが載っている。
だいたい、政策研究大学院大学って知らなかったが、六本木から少しいった広大な場所に、素晴らしいキャンパスがあった。学生の60%が外国人で、授業の多くが英語で行われているという。入口には「政策研究院」という看板も見られた。
若干遅刻して会場に入ったが、ほぼ満員で関心の高いテ−マであることを物語っている。各自治体の実践例の発表と、発表者によるパネルデスカッションだったが、とても満足できる内容で、これが無料とはすばらしい!以下、発言者のエポックを示す。
品川区立第二延山中学校校長
品川区の教育改革プラン21は「変えたい、変わりたい、しかし変わらない学校」を変える取り組みである。そのポイントは、教員の意識改革である。
学校選択制実施前の中学校の状況
@閉鎖的・横並び型学校経営
A地域に無関心・学校内完結型
B創造性に欠けたマンネリ化「例年通り」
C評価基準のない「学校評価」の繰り返し
学校の問題の原因
@学校の常識は社会の非常識
*学級王国・頻繁に起こる学級崩壊
*組織の構成員としての自覚がない教員の集合体
*教員のトランジット(空港の外に出ない、乗継のための短期滞在者のこと)意識
A管理職・教職員の危機意識のなさ
*組織目標の曖昧さ、教育目標はお題目にすぎない
*「春になればこどもは入学してくる」
*社会の変化は校門の外の風
上記のような問題を解決して、学校選択制の「保護者の選択」に耐えられる学校にするために頑張っている。転勤してくる教員には「今までの経験、情報はすべて捨てて欲しい」と言っている。
びっくりしたのは、参加者全員に資料として配布された「平成21年度PTA・地域連携活動」と書かれたB4の予定表である。縦軸に全教員の名前が書かれ横軸には、土日、放課後などのPTA・地域行事に「誰がいつ」参加するかが○で記されているではないか。私が年中、議会、委員会で主張しながら実現しない「教員の地域活動への参加」が具現されている。
大田区教育委員会は「休日、放課後の地域活動への参加は、あくまで任意で強制できない」と、呑気なことをおしゃっている。ところが、この予定表では、有無を言わせていない。その点を質問すると、会場内にいた同校の若い女性教員が「着任してから当たり前のようにしていたので、やっています」と回答。校長の命により予定表を作成した管理職も会場内から「特に文句なく全員が公平に参加しています」と、日教組が聞いたら激怒するような答えだった。できるんじゃん!!
日渡円宮崎県五ヶ瀬町教育長
校長の意識改革が起これば学校は変わると信じて、取り組んだが1年かかった。新たに五ヶ瀬町に着任してくる校長には「今までの経験は捨ててくれ」と伝える。なぜ、全国35000の学校が地域と交流できないのか。それは、意識の問題である。学校には「地域に出ない」という作られた文化がある。
そこで、学校や教員の意識改革には教職員の行政化が重要である。校長、学校管理職全員に議会を傍聴させる。そして、学校の予算は「一部裁量」や「総括裁量」ではなく、学校自身で予算を作り財政当局と交渉させ、議会を納得させる仕組みにした。
予算の裏付けがなければ学校運営ができないことを体得してもらうためだ。学校と教育委員会は「親子」ではない「兄弟」の関係である。
学校に役場の機能をおけないかを検討している。
@教師たちがグル−プを構成して、学校給食を高齢者に提供する「ふれあい給食サ−ビス」
A学校を役所機能の一部を代行する「役場出先構想」
B地域の相互扶助のセンタ−として機能する「五ヶ瀬版学校支援本部」など。
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07月30日(木)
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