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いぬぶし秀一の激辛活動日誌
by いぬぶし秀一
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■区議会議員はどこだ!@地方自治経営学会
 地方議員、とりわけ区市議会議員対象の研修会、学会、勉強会はとても多い。その仕事柄、日本全国で開催され、その内容もさることながら、参加されている他自治体の議員との交流は、井の中の蛙から脱皮するには、まことに好都合である。ところが、どこの会場に行っても、少ないかいないのが特別区の議員なのだ。なぜだろうか?

 今日から2日間、明治大学で開催される地方自治経営学会研究大会に出席するのだが、名簿によれば、600名余りの参加者のうち、23区の議員で学会員としての参加は、な、なんと、私だけ。非学会員の参加が3名という寂しさである。北海道から沖縄まで多くの議員が参加しているのに、地元から4名とは。

 なぜだろうか。23区の議員は勉強嫌い?そんなことはないだろう。近すぎて、区政調査費の使い道として「もったいない」‥う〜んん、これはあるかも。しかし、遠くの開催地であっても23区の議員の姿はあまり見ないから、これも違うか。原因は不明である。

初日のセッションは以下のとおり。

パネルデイスカッション
司会:坪井ゆずる(朝日新聞編集委員)
パネリスト:丹羽宇一郎(地方分権改革推進委員会委員長・伊藤忠商事会長)
古川 康(佐賀県知事)、中田 宏(横浜市長)

講演
テ−マ:超高齢社会、最大のテ−マ「医療・介護・年金」はたして大丈夫か
講師:浅野史郎(慶応義塾大学教授・元宮城県知事)

テ−マ:「地方分権、地域再生」国と地方の両方の側から見る
講師:増田 寛也(前総務大臣・前岩手県知事)

テ−マ:分権改革の真贋を見定める
講師:片山 善博(慶応義塾大学教授・前鳥取県知事)

テ−マ:これからの政局と地方分権
福岡 政行(白鷗大学教授)

 以上を、10時から17時まで(昼休み1時間)でやるのだからすごい!間の休憩はナシである。それにしても「豪華メンバ−」である。この2日間の費用が、たった9000円というのは超お買い得である。あまりに学ぶことが多く、そのすべてを書くことは出来ないが、名言といくつかご紹介する。

丹羽委員長:分権を拒む国の役人は「公園の木の育ち方が、地方の管理より国の管理のほうがいい」等と真顔で言うのにはあきれる。国は地方の役人を信じていない。分権で必要なことは@国が地方を信じることA地方も国に発信することB官に任せていてはすすまない。の3点だろう。国は地方では出来ないkと、外交、防衛などに特化すべき。

中田市長:「受益」と「負担」の仕組みが複雑すぎる。複雑すぎる民主主義は悪である。民主主義はシンプルであるべきだ。何が出来るのか、何が出来ないのか、「地方」を一律に語ると、霞ヶ関の思う壺である。地方分権は「やる」という結論の中から「やれる自治体」からやる。

浅野教授:社会保障を英語で言うと、Social Securityである。セキュリテイなんだ。このセキュリテイが機能しないと、内需が拡大しない。「老後」や「将来」に対する不安の払拭、社会保障の安定こそが消費を拡大し、経済が安定する。

増田前総務大臣:研修会などをやると、毎回同じ顔ぶれの議員さんが出てくる。本当に熱心に勉強されている。が、本当に聞いて欲しいのは、研修会など出てこない議員さんだ。地方議会の活動に国民が無関心。これは有権者の責任である。地域の代表者たる首長、議員を住民が真剣に選べば地域は変わってくる。

片山教授:首長にアタリもハズレもある。ポスタ−やチラシだけで選ぶのだから。一生の配偶者選びですらハズレれるのだから。ハズレた首長が、地方分権で金と権力を握ったら大変だ。リコ−ル以外に、ハズレの首長を引き摺り下ろす仕組みが必要だ。権限よこせ!金よこせ!の地方6団体のような主張では分権改革はすすまない。市民の視点「身近な決定は身近」で、という思いがあっての権限である。

 そして、お楽しみの懇親会。今日も多くの地方議員、研究者との知己を得た。主催者に感謝!

 
05月21日(木)
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