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いぬぶし秀一の激辛活動日誌
by いぬぶし秀一
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■この大臣からは貰いたくなかった予備自衛官招集命令書
 現職の航空自衛官には「防空」というミッションがある。災害派遣に出す人的余裕はないはずだ。であれば、予備自衛官をもっと活用でうべきであった。無論、予備自衛官が「ケガをしたら」「給与は」「死亡したら」等、問題は山積みだったろう。しかし、だからこそ史上初の予備自衛官派遣で、より多くの派遣を行って問題を見つけるべきだった。

 はたして、国民の貴重な税金を使って毎年訓練に参加していても、あれほどの大災害であっても「災害派遣招集」を800名の全航空予備自衛官に発令できない「お役人化」したとも思われる発想の航空自衛隊で訓練をすべきかどうか、継続して予備自衛官として留まるかどうか、大いに悩んだのである。

 実際に、航空予備自衛官の訓練招集でいつも一緒だったA君は「招集もされない航空予備自衛官では意味がない」と、陸上自衛隊の予備自衛官に「転官」をしてしまった。

 さらに問題を複雑にしたのは、2月19日に愚息が南スーダンPKOに出発するのだが、その壮行会が同日行われる。ところが、その日は、茨城県百里基地において「野外訓練」(と言っても、基地の外に出かける社会科見学のようなもの)が実施される。息子はハイチ、ジプチと3回目の海外派遣だが、ハイチは地震復興、ジプチは米軍基地の中での海賊退治部隊の後方支援だった。今回は、部族間対立と隣国スーダンとの石油利権での武力対立が続く、危険な地域への派遣である。ぜひとも見送りたいと、親バカである。

 が、私には「5日間出頭する義務」が課せられている。1日だけ休暇ということもあるが、そうすると本年度内には、もう代替えできる訓練日程がない。1日休めば「訓練未出頭」という汚名がつく。現職自衛官なら「休暇」ですむし、民間や一般の公務員なら「たかだか」1日のことだが、予備自衛官としての「誇り」がネックである。

 「辞めるべきか継続すべきか…」悩んだ末最後の決断を促したのは、東京在住の予備自衛官を担当する自衛隊東京地方協力本部のある幹部の一言だった。彼は私にこう言った。

「辞める、辞めないの判断は犬伏さんが決めることです。ただ、後輩として、どうか続けてください、とお願いします。後輩として…」

 私は自衛隊生徒18期生。彼は23期生。「同じ釜の飯を食った」時期はないが、自衛隊生徒の先輩後輩の関係は「兄弟以上」なのだ。「弟」にそういわれちゃ、辞めるわけにはいかない。意味があろうがなかろうが、首になるまで続けよう。

 しかし、この大臣からは命令書貰いたくなかったな〜

02月07日(火)
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