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いぬぶし秀一の激辛活動日誌
by いぬぶし秀一
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■やっぱりタメじゃん!新たな議員。なんのために議員になったのさ?
福祉費においては、高齢者就労支援事業として「仮称、高齢者就労・社会参加支援センター」の開設に1654万円余が計上されています。高齢者の就労支援は国及び都道府県の事業としてハローワークが担っています。基礎的自治体である大田区がすべきことは、ハローワークと連携して情報提供をすすめることであり、新たな組織を作ることは行政の非効率化に繋がります。この事業で得をするのは、センターの運営を受託する業者と、センター長になるであろう大田区の天下りの職員だけでありましょう。菅直人総理と同様な「思いつき」としか思えない施策には反対です。
土木費の河川維持管理には防災船着場の整備に5800万円が計上されています。これは大田区羽田の海老取川に浮き桟橋を設置するという計画ですが、すでに5月2日からこの場所からほど近い場所にある旧三愛石油タンカー桟橋を日本空港ビルデイングが2億円をかけて旅客船用桟橋とする工事を開始しています。空港ビルデイングの報道発表によれば、災害時には防災船着き場として活用できるとも述べており、あまりの類似施設、あまりの近さに驚きを感じています。また、大田区が計画している予定地の上下流には橋がかかっており、大規模震災時の陥落で桟橋までの水路が遮断される危険があります。さらには、川幅が狭くUターンをして多摩川に戻ることが出来ないうえ、満潮時には喫水から橋までが2m程度と低く、防災船着場としては不適な場所であります。唐突にこのような計画が発表された背景には、なんらかの圧力や協力要請があったに違いありません。防災船着場だけではもったいないので、観光用の船も使わせよう、との提案が夏休み前には発表され、すぐさま「待ってました」とばかり、特定の業者が名乗りをあげる、という図式が目に見えるようです。周辺には、日本空港ビルデイングの船着場以外に、屋形船や釣り船の係留地が整備されています。いまさら中途半端な防災船着場を、わざわざ作る必然性はなく反対です。
いま、可及的速やかに大田区が取るべき防災対策は、災害弱者に対する対応であります。さる3月11日の震災当日、JR蒲田駅はシャッターが降ろされ、身体に障害をお持ちの方々や高齢者は東西通行が遮断されてしまいました。また、駅のアナウスや防災無線を聴くことができない聴覚障害をお持ちの方々に対する対策は、いまだ実施されていません。不要な船着場やイベントなどに使う予算があるのなら、聴覚障害者や視覚障害者の方々を含め、災害弱者に対する、災害情報告知方法を早急に確立必要があります。また、我関せずと、東西自由通路まで閉めてしまった、お役所より「お役所的」なJR東日本には抗議を行うべきでもあります。
また、同じく土木費には、公園施設長命化計画予備調査委託として1795万5千円が計上されています。公園施設を長命化させることには賛成ですが、なぜ大田区職員ではできないのでしょうか。最近の大田区の予算書を見ると、やたら調査委託やら審議会などが乱立しているように思えます。大田区の職員が自らの目で調査確認をして計画を策定する、その際、専門家の意見を聴くという、職員の当事者意識の醸造こそ大切なことです。なんでも委託、なんでも審議会に丸なげのような施策には、到底賛成できません。菅総理のマネをしてはいけません。
以上、申し述べましたように、本補正予算には、到底賛成することができないのであります。どうか、志高い第17期の区議会議員、とくに区長与党と言われる区議会議員の皆さまには、議会の権能を発揮する絶好の機会であります。
地方議会には制度設計上、与野党は存在しないのです。もはや、特定の団体や特定の企業の利益のために区民の税金が使われ、それを議会が追認する時代は終わったのです。どうか、本補正予算に反対の声をあげていただきますようお願いいたします。
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05月30日(月)
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