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いぬぶし秀一の激辛活動日誌
by いぬぶし秀一
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■政策なき教育委員増員に反対討論
 確かに、米国における教育委員会は行政部局から人事、予算面を含め完全に独立した組織を保っておりますが、我が国においては、残念ながらその制度だけが導入されたのであります。「教育の特質にかんがみた教育行政の安定性、中立性の確保」とありますが、本区においての教育長は、大田区幹部職員の最後の花道が恒例化しており、事務局職員は全員、大田区職員で、異動があれば区長部局に戻る訳ですし、教育長を含め委員は区長が選任する訳ですから、はたして「中立性」が確保されるのでしょうか。
 当然、区長に選任された教育委員は、区長に対し「精神的ロイヤリテイ」が生まれるでありましょうし、区長がいやがること、例えば新しい歴史教科書の採択等するはずもないのは当然でありましょう。さらに、前任の教育長に対しては、区執行部が強力に退任を強要した話など、もはや、独立性、中立性はないのではないか思われるのです。
 大阪府知事の「クサレ教育委員会」発言や、民主党による「廃止論」など、なぜ教育委員が必要なのか、月4時間の会議で、247000円を支払うことで、どのような活動をしているのか、アカウンタビリテイ(説明責任)を果たさなければなりません。
 そのような趣旨の私の委員会質問に、大田区教育委員会下遠野茂教育総務課長は「定例会だけでなく、卒業式など学校行事にも顔を出していただいている」と、教育委員の「必要性」を力説されたのですが、まったく、説得力に欠ける理由と断じざるを得ません。
 改めて、申し上げます。政策とは、さらに議案とは、「このような大田区を作りたい」、そのための手段として、「このような方法をとりたいが、区民の代弁者たる議会はどう考えるか」、というものであるべきです。単にいいか悪いかでは、地方分権時代の行政と議会の関係として、はなはだお粗末と言わざるを得ません。
 以上申し述べたように、本議案からは、なんら「大田区の教育に対する政策」が見えてこないのです。員数あわせ、任期切れ教育委員の再任もしくは、その出自を同じくする新委員の数を確保するためとしか思えない本議案には、到底賛成することが出来ないのであります。
 議員各位にお訴え申し上げます。二元代表制の一方である、議会の大きな権能を、首長のたかだか補助機関たる行政職員に左右されることのないよう、議論を尽くしてまいりましょう。そのことが、地方分権の最も重要な課題であると思っております。
 なお、本議案が可決されれば、即刻上程されるであろう、教育委員3名の選任同意議案については、私は採決に加わらず退席をするつもりであることを申し添えておきます。私は、現教育長の教育委員選任同意議案には、その属人的理由により反対をいたしました。しかし、今回は、新たに区長より推挙されるであろう教育委員候補の方々について、その方々の選任そのものを否とするものではないからであります。
 以上、第106号議案に対する私の反対討論といたします。

12月08日(火)
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