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雪さんすきすき日記
by 氷室 万寿
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■「BARRIER X」のこと
Steamでサマーセールが始まったので、ツイッターでセール情報をリツイートしまくって、他人の財布を軽くすることに努めている。
「BARRIER X」(Noclip)を全面クリアしたので感想を。
前方から迫る壁を避けながら超高速で疾走する3Dアクション。
操作は左右移動とショット、ブロック解除。自機は超高速で前方に移動し続けており、左右に入力すると隣の列に移動する。前方から壁が迫ると床が徐々に赤くなって警告するので、壁に衝突する前に移動する。青い床は指示された方向に移動し、緑の床はそのまま直進するという制限が課せられており、その制限に反すると自機がブロックされてブロック解除を押すまで操作できなくなる。4面以降は敵が攻撃してくるので、攻撃を避けながらショットで倒す。
30秒経過すると次の面がプレイできるようになり、60秒経過でその面をクリアしたことになる。
速さの暴力の具現化。瞬きすらミスを誘発するには十分なほどの速度で迫る壁は、とても視認で避けることなど不可能。攻略は単純で、床を見て赤くなったら警告の無い床まで移動するだけなのだが、とにかく超高速の展開は一瞬たりとも気を抜く余裕は無く、プレイ中は動体視力と判断力、そして集中力を常時最大限に発揮させられる羽目になる。特に集中力が重要で、大体途切れた瞬間に壁に激突する。しかも、集中力を維持するのが5秒や10秒ならまだしも、60秒以上となると並大抵のことではない。内容が単純なのとミスした後の再開がとても簡単に行えるのでつい連続してプレイしてしまうが、終わる頃にはいつも集中力を使い切って疲労困憊であった。
青や緑の床および敵は、正直なところ両方のボタンに連射をいれて押しっぱなしにすれば対処できるのだが、それでも敵の攻撃の合図や色違いの床は判断を躊躇させてミスを誘うには十分な効果を発揮する。特に、色違いの床が連続すると、避けるのか直進するのかが混同してミスにつながりやすい。変化としては至極単純なのだが、それを超高速の中で判断しなければならないという状況は非常に過酷であり、だからこそ適格な操作ができて切り抜けたときには脳内麻薬が大量に分泌されてこの上ない快感を味わうことができた。
画面演出は超高速の3Dスクロールだけでも刺激的だが、それに加えて視点が傾いたり敵を撃破したときに処理落ちしたりと様々な変化が加わっていく。視認性が悪くなるのでプレイする上では邪魔なことこの上ないのだが、過酷な状況をさらに過酷にする演出もまたこの作品の特徴的なところであるといえるかと。音楽はチップチューンでこちらは画面演出とは対照的に落ち着いた雰囲気の曲が多く、冷静になれる数少ない要素であり、集中力を維持するのに大きな助けとなった。
非常に単純な内容を極度の速さまで突き詰めた作品で、やるべきことは簡単なのだがそれに動体視力と判断力が追い付かなければクリアは絶望的。しかも、救済措置など一切無く、攻略は身体能力に頼る部分がかなり大きい。なので、この作品を全面クリアできるほどの動体視力と判断力、集中力が今でも備わっていたのは非常に嬉しい限りであった。
あと、60秒の長さを嫌というほど味わされた。特に55秒くらいからの5秒間の長さといったら、永遠に近いものを感じられた。
06月26日(水)
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